ブルガリア「原発」国民投票・現地レポート(第1回) by しばけん

セルビアとの国境をバスで通過。ブルガリアへ。

ブルガリアへ。セルビアとの国境をバスで通過。

ブルガリアと聞いて、皆さんは何を想像するだろうか。
ヨーグルトを思い浮かべる人が多いのではないだろうか。力士の琴欧洲もブルガリア出身として知られている。僕がブルガリアについて知っているのはそのくらいで、特段興味があったわけではない。しかし、この度「原発国民投票」が行われるということで、ドイツからバスで27時間、ブルガリアに乗り込んだわけである。

ここでブルガリアについて簡単に紹介したい。
ブルガリアは北にルーマニア、東にセルビア、南にギリシャ、トルコ、西は黒海に囲まれた、日本の3分の1ほどの面積を持つ国である。首都はブルガリア西部にあるソフィアで僕はそこに滞在している。人口は750万人ほど。その約8割がブルガリア人、移民は20%で、その半数をトルコ人が占める。2007年にルーマニアと共にEUに加盟したが、ヨーロッパ最貧国と言われている。そのため、物価はアジアやアフリカほどではないが、日本やヨーロッパ諸国に比べると総じて安い。僕が今、この原稿を書いているカフェのコーヒーは一杯2レヴァ、120円程である。

ヴィトーシャ大通りから聖ネデリャ教会を臨む。首都ソフィア。

首都ソフィア。 ヴィトーシャ大通りから聖ネデリャ教会を臨む。

そして今、話題になっているのが、ベレネでの原発計画だ。コズロデュイの東部へ約130キロ。ドナウ川の下流にある人口9000人程の町に、1981年に原発建設計画が持ち上がり、1984年から建設が開始されたが、1991年に資金不足と反対運動の活発化で中断。2006年には前政権与党で現野党の「ブルガリアのための連合(BSP他)」主導で再開するが、2009年に大口の投資元だったドイツの大手エネルギー会社RWEが撤退し、去年3月に現政権与党の「ブルガリアの欧州における発展のための市民(GERB)」の首相ボイコ・ボリソフは「費用がかかりすぎる」「法的な不備がある」としてベレネ原発の中止を決めた。ロシアと話を進めてきた前政権のBSPは「ベレネ原発計画中止」に撤回させるために国民投票に持ち込んだのである。

「新しい原発で原子力利用を発展させますか?」
投票日は1月27日。即日開票される。

次回は「どのように原発国民投票が行われることになったのか?」

参考
東京新聞
外務省HP 他



プロフィール
大芝健太郎 しばけん
26歳 フリーライター
「原発」国民投票賛同人
「原発」国民投票 調査団のメンバーとして
リトアニア国民投票も現地取材

月刊「社会運動」連載中
雑誌「NOU LIFE STYLE」他

Blog: http://shibaken612.blogspot.com
Twitter: https://twitter.com/shibaken612

2013年1月17日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:海外情報

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