大阪市住民投票:賛否両論を掲載したチラシを配布し、投票を呼びかけ

みんなで決めよう「原発」国民投票・関西チームでは、(大阪市を廃止して)5つの特別区を設置する住民投票について、賛否両論の意見を記載したA4一枚のチラシを作成しました。

作成したチラシは、5月9日に天王寺歩道橋で200枚を配布し、5月10日のアースデイはまでらで100枚を配布。同時に、みなさんに投票への参加を呼びかけました。

天王寺の街頭では、「賛否両論を記載しました」という声に反応して、通り過ぎてから戻って来て受け取ってくれた方が少なからずいました。これは配布メンバーのほとんどが得た実感です。

一枚のチラシに、全ての事柄、意見をまとめることはできませんが、このチラシを受け取った方が、このことも一つのきっかけとして、賛否両論の意見をさらに調べて、また考えを深めて頂ければと思います。

*下記画像をクリックすると、PDFファイルが開きます。PDFは、どちらの画像をクリックしても同じものが表示されます。

*「関連サイト紹介」のURLには、下記リンクからアクセスできます。
原発国民投票・関西「大阪市廃止特別区設置住民投票の関連サイト」

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チラシに「日本で最大の住民投票」とありますが、これは誤報でした。過去最大の住民投票は1950年に東京で行われた「首都建設法」の是非を問う住民投票。今回の大阪市における特別区設置住民投票はそれに次ぐものです。(http://gohoo.org/15052001/)

大阪都構想(大阪市廃止・分割)に関する住民投票実施決定を受けての提言">大阪都構想(大阪市廃止・分割)に関する住民投票実施決定を受けての提言

大阪都構想(大阪市廃止・分割)に関する 住民投票実施決定を受けての提言
2015年4月1日
市民グループ・みんなで決めよう「原発」国民投票
関西有志一同

 私たち市民グループ「みんなで決めよう『原発』国民投票」は、日本の原発をどうするかについて国民投票を求める会であると同時に、直接民主制が選挙などの間接民主制を補完するもので、民意を担保し民度を深化させる重要な制度であると考え、その一環として日本国内での住民投票運動を支援する活動を続けています。

 2012年に大阪市に対して直接請求運動※1を大阪市民とともに行ってきた関西グループとして「大阪都構想(大阪市廃止・分割)に関する住民投票についての提言」とした声明を2月13日に発表しました。

■ 2月13日声明に掲げた「3つの提言」「3つの問題点」

提言① : 協定書案の今議会会期内での議決の延期を求めます。
提言② : 賛否両派による公開討論会の開催を求めます。
提言③: 成立要件として「絶対得票率」の採用を求めます。
問題点①: 市民への周知と議論があまりに不足しています。
問題点②: 市長信任へのすり替えが意図的になされています。
問題点③: 住民投票の成立要件が明らかにされていません。
※詳細は:http://gkokumintohyo.com/archives/9587

 その後、3月13日に大阪市議会、17日に府議会において特別区設置協定書 (都構想案)が可決され、5月17日に住民投票が行われることに決定しました。しかし、私たちの3つの提言は議会においてほとんど議論をされることなく、3つの問題点は解消されないままとなっています。よって今後より良い住民投票となるよう市会議員賛否両派、報道機関、行政ならびに有権者に向け、以下の提言をします。

※1「関西電力管内の原子力発電所の稼働の是非を問う『原発』大阪市民投票の条例制定を求める直接請求」

市会議員への提言:多様なかたちで建設的な討論に参加してください。

 私たちは、議題について有権者が考える機会の必要性を引き続き訴え、公開討論に限らない多様な形で意見が交わされるよう、議員各位の誠意ある対応を求めます。

 前回提言で求めた公開討論は、橋下代表との直接討論を忌避する反対側の不参加により実現していません。また賛成側も橋下代表による直接討論にこだわり、反対論のひとつひとつに十分な回答をしていません。どちらも討論を勝負ととらえた戦術的な対応であり、有権者に判断材料を提供する公開討論本来の目的が叶えられていません。

 私たちは公開討論の実施を引き続き求めますが、直接討論に限らず、両派議員による紙面やウェブでの討論、市内各区の集会、説明会への参加、市民の疑問への回答など、両意見を同時に知ることができる形式は多様にあります。市民からこれらの要請があれば、積極的に参加することが議員の責務です。有権者が都構想(大阪市廃止・分割)のメリットとデメリットを考える、できるだけ多くの熟議の機会を求めます。

報道機関、行政への提言:協定書についての中立、公平な情報提供を

 私たちは報道機関各社に、特別区設置協定書の内容をわかりやすく報道するとともに、賛否両論を公平に扱った紙上・テレビ討論の実施を求めます。また行政機関には、十分かつ丁寧な情報提供と有権者の疑問にも答える複数回の広報紙作成を求めます。

 当住民投票に関する報道は市議会の動きを追ったものが多く、協定書の内容に関する報道はほとんどなされていません。両派からの情報も双方の主張であり、両論が併記された中立かつ公平な資料は存在しません。世論調査で市民の約70%が「説明不足」と回答(2015/3/16毎日新聞)しているように、この現状は問題であると考えます。

 行政から全戸配布される広報紙は4月中旬に一回配布が予定されているのみでそれを読んでからの有権者の疑問に答える形が考えられていません。過去の住民投票において行政が行った情報提供の優れた事例の一つとして、平成22年11月14日に行われた「佐久市総合文化会館の建設の賛否を問う住民投票」の際の資料をご参照ください。
http://www.city.saku.nagano.jp/shisei/koho/kohoshi/h22/22_11_8_gogai.html

大阪市民への提言:住民投票に参加してください。

 私たちは有権者である大阪市民のみなさんに住民投票への参加を求めます。

 前回の声明で私たちは成立要件として絶対得票率(総有権者数に対する有効賛成得票数)の採用を提言しました。しかし、市議会及び府議会では絶対得票率について審議されませんでした。投票率による成立要件も設定されていないため、投票結果は投票率に関係なく法的拘束力を持って成立します。住民の意思を充分結果に反映させるためには高い投票率が必要です。一人でも多くの有権者の投票を求めます。住民投票では賛否いずれかに投じたあなたの意思は必ず一票となり活かされます。

 また住民投票は、選挙のように政治家や政党への信任を問うものではありません。政策の是非を判断するものです。大阪都構想(大阪市廃止・分割)そのものについて理解と議論を深めてください。行政やメディアから提供される情報を入手し、維新の会のタウンミーティングや市民グループのイベントにも参加しましょう。賛成、反対の両方の意見を聞き、生じた疑問を市役所や地元選出議員に質問し、家庭や職場など身近な場所で話し合うことをお薦めします。

 私たちも街中での議論を盛り上げるために議員への質問を行っていきます。ともに学び、議論し、高い投票率の中で大阪市民の理性的な判断が示される住民投票にするために一緒に行動していきましょう。

大阪都構想(大阪市廃止・分割)に関する住民投票についての提言">大阪都構想(大阪市廃止・分割)に関する住民投票についての提言

大阪都構想(大阪市廃止・分割)に関する住民投票についての提言

2015年2月13日
市民グループ・みんなで決めよう「原発」国民投票
関西有志一同

私たち市民グループ「みんなで決めよう『原発』国民投票」は、日本の原発をどうするかについて国民投票を求める会であると同時に、直接民主制が、選挙などの間接民主制を補完するものとして、民意を担保し、民度を深化させる、重要な制度であると認識し、その一環として日本国内での住民投票運動を支援する活動を続けています。2012年には東京都と同時期に、大阪市に対し「関西電力管内の原子力発電所の稼働の是非を問う『原発』大阪市民投票の条例制定を求める直接請求」運動を推進しました。大阪市民とともにその運動を行ってきた関西グループとして、この5月に実施されようとしている「大阪都構想(大阪市廃止・分割)に関する住民投票」(仮名)は、私たちがめざす民主主義の実現としての住民投票のあり方から、後述の3つの問題点において逸脱したものと考えています。
よって以下の提言をします。

【3つの提言】

提言① 協定書案の今議会会期内での議決の延期を求めます。
議会としての公聴会や参考人招致など議会の役割を果たし、市民レベルでの徹底した理解と議論を経た後で実施すべきです。
提言② 協定書案議決の延期をするしないに関わらず、市民に対し都構想のメリット・デメリットの共有・広報をさらに時間をかけ徹底して行うことを求めます。加えて市内各区やマスメディア上での賛否両派による公開討論会の開催を求めます。
提言③ 住民投票の実施条例に成立要件として「絶対得票率」の採用を求めます。

【3つの問題点】

問題点① 市民への周知と議論があまりに不足しています。

住民投票は対立の勝敗を決することではありません。賛否両論を住民が理解し議論を深めることで、民主的な対話による解決に導くものです。しかしながら大阪都構想は、設計図である協定書案の読み込みさえ、必ずしも多くの府民・市民によってなされているとは言えません。また今回の結果が尊重義務ではなく強制力を持っていることも周知されていません。

橋下市長は「車を買う時にいちいち設計図なんか読まない。車のエンジンの細かい仕組みまで市民が知る必要はない」などと発言しています。本来、市民の理解と議論を必要とする住民投票において、それを否定しているのではないでしょうか。また議会も協定書案の内容の討議と市民への公開よりも、党派による否決を優先してきたことは否めないでしょう。

問題点② 市長信任へのすり替えが意図的になされています。

住民投票は住民が組織や支持政党から離れ、ひとつの政策課題について個人として理性的な判断をすることで、選挙を補完することができます。しかし橋下市長は「大阪都構想住民投票が否決されたら辞任する」などと自らの進退問題とからめることにより、自身の信任投票のように演出しています。こうした発言は撤回し、大阪都構想の是非に対する民意のみを純粋に諮るべきでしょう。

問題点③ 住民投票の成立要件が明らかにされていません。

住民投票は選挙のように代表者への信任を問うものではなく、住民が自身に直接関わる事柄を判断するものであり、より多くの住民の参加が推奨されるべきです。現在、今回の住民投票の根拠となる法律に成立要件の採用を妨げる規定がないにも関わらず、民意を判定する基準となる最低投票率または有効投票数などの成立要件が明らかではありません。もし規定がない場合、多数の棄権でも成立してしまい、それでは民意が確かに表明されたとは言えない結果となります。

ただし最低投票率による成立要件は、住民投票の成立そのものを阻止しようとするボイコット運動がなされる場合があり、議論が不活発になる危険性があります。よって『総有権者数の何分の1以上の得票率』などの絶対得票率※1を成立要件に採用すべきと考えます。海外の例の一つとして、ドイツでは16州中13州※2において総有権者数の25%から30%の間で設定されており、我が国では地方公共団体の千葉県我孫子市の市民投票制度※3で総有権者数の3分の1以上を成立要件とする採用事例が既にあります。

※1 絶対得票率=有効賛成投票数/総有権者数
※2 <参考資料>武田真一郎(2014)「ドイツの住民投票の成立要件について」、「団法人自治体国際化協会(2011)「ドイツの地方自治(概要版)」、阿部成治(2003)「ドイツにおける自治体レベルの住民投票制度−13州の比較検討−」
※3 <参考資料>我孫子市HP 市民投票制度 http://www.city.abiko.chiba.jp/index.cfm/19,0,203,819,html

大阪都構想(大阪市廃止・分割)に関する住民投票についての提言

2015年2月13日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:地域の活動

#311を忘れない 署名キャンペーンキックオフ!

osaka_top3みんなで決めよう「原発」国民投票は、12月23日(火)午後、全国的に晴れやかな中、<311を忘れない。「原発」国民投票・署名キャンペーン>を開始しました。

●関西チームは、梅田の目印となっている歩道橋で街頭署名活動を開始。歌あり、ギター演奏あり、被り物あり、人間ツリー(らしき)ものあり、ツッコミありで賑やかに始まりました。

久々に穏やかな天気となり歳末・祝日で浮足立つ中でも、「原発」や「311」という言葉に反応する人たち。足を止めたくれた人たちは、それぞれの思いを語り、思いをメッセージボードや署名という形で表現してくれました。

最初に足を止めてくれたのは、高校生二人組でした。「国民投票って知ってる?」というと「知ってる。授業でならった」と教えてくれました。3年前は中学生。きっと大きな衝撃だったんだろう、と感じた出会いでした。

osaka_top1今回の街頭では、iPadを使ったスライドショー、スマートフォンを固定してのライブ放送(ツイキャス)も試しました。これからもiPadやスマートフォンを使用しての発信をどんどんしていく予定です。ご期待ください。

この「311を忘れない」キャンペーンは、関西チームが中心になって企画したものです。メッセージボードや動画をつかって、一人ひとりの思いの丈を表現するアイデアも、関西チームから出されました。関西チームでは、23日のキックオフに先立ちボードへのメッセージの記入と撮影が行われてきました。

23_tokyo●東京チームがキャンペーンのキックオフの場所として選んだのは、渋谷のハチ公前。都民投票のときに常設署名スポットとしていた、懐かしい場所です。

年末の渋谷は、いつにも増して賑やか。人混みに負けずにアピールをしていると、最初の署名者が現れます。書いていただいているときには気づきませんでしたが、あとから住所を見てみると、福島県の南相馬市の方でした。

この運動をしていると、たくさんの福島の方が署名をしてくれます。また「ありがとう」と声をかけて下さるのも、いつも福島の方です。当たり前のことですが、福島からの避難者が福島を忘れることはありません。#311を忘れない、ということは、福島で起こったこと、そして今起きていることを、私たちみんなが心に刻み、忘れないことでもあると考えます。

23_kanagawa1●神奈川では、かわさき市民活動センター(川崎市、武蔵小杉駅そば)を拠点に活動しました。

武蔵小杉は、最近も新しい商業施設がオープンしていて、とても人通りが多かったです。署名活動とシール投票で、多くの方にアピールさせていただきました。

シール投票の設問は「12月の総選挙で、あなたの原発に対する意見は反映されましたか?」。「はい」2票、「いいえ」5票、「わからない」1票という結果でした。「はい」に投じたご婦人は 「原発がなくなると日本の電力不足が怖い」とのことでした。

街頭アピールが終わってからは、市民活動センターの会議室に移動。まず、関西チームとSkypeで繋がってお互いに街頭活動のフィードバックをしました。次に、今後のキャンペーンについて会議を実施。途中からは東京のメンバーも加わって、今後のスケジュールや力を入れるアクションについて話し合いました。

23_kanagawa

キャンペーンキックオフの12月23日に街頭活動が行われたのは、大阪・東京・神奈川の3ヶ所でした。今後は、名古屋や千葉でも活動が予定されています。また北海道と宮城の仲間からも、メッセージボードの投稿がありました。

来年の3月11日のキャンペーンの終了まで、全国各地で活動を行います。このアクションに必要なのは、”気持ちが動いたそのとき”の、あなた自身の気持ち、あなた自身の言葉。“One person, one message, make our story”
あなたのストーリーを伝えていこう。

ぜひ、こちらのfacebookイベントページにご参加ください
【311を忘れない。「原発」国民投票・署名キャンペーン】
https://www.facebook.com/events/768733233198467
みなさんからの、メッセージ画像の投稿、お待ちしております!

「アースデイ東京2014」でエネ計画の是非を問うシール投票を実施

4月19日(土)、20日(日)の二日間にわたって開催された「アースデイ東京2014」に<みんなで決めよう「原発」国民投票>のブースを出展しました。

アースデイ東京への出展は今年で3年連続になりますが、今回は模擬国民投票(シール投票)の実施を出展の目玉としました。テーマは「4月11日に閣議決定された『エネルギー基本計画』、賛成?反対?わからない?」です。

以下に、模擬国民投票(シール投票)の結果を発表します。

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・2日間合計 賛成 101 、反対 1093、 分からない 139
  ・1日目(4月19日)賛成 44 、反対 427 、分からない 60
  ・2日目(4月20日)賛成 57、 反対 666 、分からない 79

計1333人の方に投票にご参加いただきました。この参加人数は、私たちがこれまでに行ってきたシール投票の中で最多です。

投票に使用したボード

投票に使用したボード

企画段階では、過去にシール投票で問うてきた「原発の是非(賛成?反対?)」や「原発の是非は誰が決めるべき?(専門家?政治家?国民?)」と比べて、「エネルギー基本計画の是非」は分かりにくく参加者が少ないかもしれないという懸念もありましたが、杞憂に終わりました。

参加者が多かったのはもちろん嬉しいことですが、一番大切なのはその数ではありません。今回のシール投票では、(1) 知ってもらう (2) 考えてもらう (3) 話してもらう――この3つをいつも以上に心がけて、みなさんに接しました。

ときおり「国民投票・住民投票はただの多数決だから良くない」という理由で私たちの会の活動に反対する人がいますが、これは全くの誤解です。

スタッフの説明を聞き、投票先を考える参加者

スタッフの説明を聞き、投票先を考える参加者

国民投票・住民投票の本質は、有権者が投票用紙を手にすることによって、問われている課題を「自分ゴト」として捉え、メディアや市民運動などから情報を得て、自分なりに考え、他者と対話をすることにあります。私たちは、模擬国民投票(シール投票)を体験することによって、みなさんに国民投票・住民投票の本質的なところを簡易的にでも実体験してもらいたいという思いで、今回の企画に取り組みました。

「知ってもらう」と「考えてもらう」をより促すために、「エネルギー基本計画の主なポイントと賛否」というA4一枚の資料(クリックするとPDFファイルが表示されます)を作成して、投票をする人に配布しました。投票ボードの前でじっくりと資料を読み込む人たちの姿を目にすることができて、とても嬉しかったです。また、「こんな大事なことが4月11日に決められていたなんて知らなかった」という声もいくつも寄せられました。

ブース全景、署名も集まっています

ブース全景、署名も集まっています

アースデイ東京には親子で来ている方も多く、小さな子どもがシールを貼る場面もありました。シールを指に付けてどこに貼ろうか迷っているお子さんに向かって、母親が「自分で考えて決めてよね!」と言っている状況を、何度も目にしました。

当会の賛同人でもあるマエキタミヤコさん(サステナ代表)は、住民投票を「民主主義の学校」と評していましたが、迷って考えてシール投票をすることによって、子供たちにも少しは教育的な効果があったのではないかと思います。

投票を終えた人には、「どのような思いで賛成にしたのでしょうか?」「反対にしたのは何故ですか?」と、可能な限りスタッフが話しかけるようにしました。こう尋ねると、「賛成」の人も「反対」の人も、「わからない」の人も、みなさん真摯に思いを語ってくれました。

国会議員にハガキを書くことの呼びかけ

国会議員にハガキを書くことの呼びかけ

私たちは3年連続でアースデイに参加していますが、ブースに立ち寄ってくれる人たちの原発問題に対する意識が変わってきているのではないかと感じました。

事故の翌年は、怒りや憤りの感情に任せて反対を声高に訴える人が多かったように思います。しかし今回は、「賛成に票を入れた人はどういう理由なんでしょう?」「あなたはどう思いますか?」という質問を受けることが多く、自らと異なる意見を知り、対話をする姿勢が強く見られる方が多かったと思います。

事故から3年が経ち、「原発問題は風化しつつある」という見方もあります。しかし実際には、一種の「発熱状態」が終わりつつあるだけなのではないでしょうか? 自らの感情から少し距離をとってこの問題を考えていくことによって、「対話によって自分たちで決定していく」ための土壌が、いま徐々に整いつつあるのかもしれません。

二日目の結果ボード

二日目の投票結果ボードを持ち、スタッフで記念撮影(左から、賛成、反対、分からない)

出展ブースでは、模擬国民投票(シール投票)の他にも、署名集めや、国会議員にハガキを出すことの呼びかけも行いました。いただいた署名の数は、1日目271筆、2日目220筆、合計で491筆でした。

*今回行われた模擬国民投票(シール投票)の結果は、国民の意見を正確に代表するものではありません。正確に代表させることは、本当の「原発」国民投票が実現できたときにのみ、可能になります。また、無作為抽出で参加者を選んだわけではありませんし、アースデイ東京に参加している人だけが対象になりますので、一定のバイアスが係っていることをお断りしておきます。

なお、4月20日(日)には、東京から遠く離れた奈良県でも、ならコープが主催した「アースデー2014inなら」に「原発」国民投票のメンバーが参加し、会場入口のところでチラシ配りと署名活動を行いました。

(文責・鹿野)

奈良のアースデイにて

「アースデー2014inなら」にて


「東電テレビ会議 49時間の記録」の上映会を行いました

<みんなで決めよう「原発」国民投票>の埼玉県賛同人会では、『東電テレビ会議 49時間の記録』(2013年、製作:OurPlanetTV)の上映会を開催しました。上映会スタッフより、報告を兼ねてこの記録映像の紹介をさせていただきます。なお、記録映像の詳細や今後の予定については、『東電テレビ会議 49時間の記録』の公式サイトをご覧ください。


touden49_photo22014年4月6日(日)、さいたま市にある武蔵浦和コミュニティーセンターで上映会を行いました。午前と午後の2回上映し、来場者は合計50名でした。若い人が少なかったのが残念でしたが、長時間の上映にも関わらず、皆さん最後まで熱心に視聴され、約半数の方がアンケート用紙に感想を寄せて下さいました。

映画は福島第一の現場と本店、オフサイトセンター、福島第二などいくつかのモニターの不鮮明な映像が並んでほとんど動きがなく、音声だけが頼りの異色のドキュメンタリーです(どこの誰が話しているのかが表示されるので、映像も必要です)。

会議で交わされる会話からわかるのは、私たちがテレビや新聞などの報道から得る情報から想像していたことと、実際に起こっていたこととのずれです。ヘリによる水の投下、海水注入、輪番停電――それらの背後で、こんな会話が交わされていようとは。事故に備える危機管理意識のなさが、露わになったのだと感じざるを得ませんでした。官邸や保安院、自治体によって操作される情報。その背景に、人命最優先とは違ったレベルの思惑も働いていることがうかがえ、戦慄を覚えました。

道路がふさがれ、協力会社も自衛隊も現地での協力を危ぶみ、物資も人も不足する。線量の高さから、一刻を争う作業すら思うように行えない……。いったん過酷事故が起これば、現場には人が近づけず、なす術がないという現実を改めて突きつけられますが、現場から遠い本店などの責任者が、それをリアルに感じていたのかどうか。本店で上役が放つ「早くやれ!!」の怒声が虚しく響きます。現場で大量の被爆をしながら、決死の覚悟で作業に当たった人達は、何を思っていたのでしょうか。

touden49_photo1上映後に寄せられた感想には、次のようなものが目立ちました。

    「現場は頑張っていたが、東電内部だけでは対応しきれていない。本店の危機感のなさには、やっぱりな、と思った」
    「事故が起きたときの対応方法も廃炉にする方法も無いに等しい。現時点で原発を使い続けることは、間違っていると改めて感じた」

安全神話が崩壊した今、再稼働を考えるときに、過酷事故が起きることを想定から外すことはできません。この映画は、私たちが原発というエネルギーと向き合っていくときの、たいへん貴重な資料であることは間違いない。世界中の人に見てもらいたいと感じました。(向井)

11/23 静岡で説明会を開催しました

shizuoka11月23日(土)14時から、静岡市葵区のワークショップルームにて【「原発」国民投票のココロ in 静岡】を開催しました。静岡県内で「原発」国民投票の説明会を開催するのは初めてのことでしたが、10人強の参加者があり、活発な議論が交わされました。

皆さんご存知のとおり、静岡県では2012年、【みんなで決めよう「原発」県民投票 静岡】が主体となり、県民投票を求める直接請求が行われました。当会としても立ち上げ時その他、積極的に支援をしています。

今回は、県民投票運動を実践したメンバーを中心に、「原発」国民投票に関心を持つ方々が集まりました。また県民投票には深く関わっていなかった学生も参加し、積極的に発言をしてくれたのは嬉しかったです。愛知県から来られた方も一人、いらっしゃいました。

説明会では、当会の静岡県運営委員の成澤が司会進行を務め、運営委員長の鹿野が「原発」国民投票について、また会の活動について解説を実施。浜岡原発の立地県であり直接請求も経験済みとあって、一家言を持つ者が参集しており、会の方針についてなど突っ込んだ話し合いの場となりました。

以下に、参加者の感想をシェアします。

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「原発国民投票」議論は大切です。一方で県民投票経験した私たち、静岡県議会議員選挙はどうする?の議論も。(M.K.さん)

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多くの日本人は自分の意見を人前で主張せず、不本意ながら他人の決定に従っている。「おかしいことはみんなで声をあげよう」といっても沈黙する多くの国民は周りとの衝突を嫌い、大多数の意見になってはじめて同調する。「和を以て尊し」は言い換えれば個人の主張を封印することと言える。

ワンイシューについて「無記名で」自分の意見を表明できる道具を国民が手にすることは「静かな市民革命」と思う。

これからも細部の詰めで苦労があると思いますが、実現の議論が深まることを期待します。(N.M.さん)

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脱原発社会(国家)の実現を最終目標とした場合、国民投票を目指すことが、最短距離または最適戦略であるかとは、断言できません。(住民投票も同じ)

しかし、最高意志決定機関が存在しないのでは? と言われているこの国の政策に、民意を反映させ、しかもそれを制度化するには原発は絶好のテーマです。

さらに、世論の動向や政治情勢、国際情勢からして、反体制運動的なやり方の成功確率が極限まで低下している現在、(デモや抗議行動の方が性に合っている方々、ごめんなさい) 中立的な国民投票請求と、脱原発産業の育成と節電を求める参画型運動の二つがたいへん有望な運動形態であるということは、確実に言えると思います。(S.N.さん)

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一言で言って『戦略性と柔軟性の欠如』。初期の『中立戦略』に拘りすぎて運動が自縄自縛に陥っていると感じます。国民投票制度の確立と民主主義の成熟は非常に遠い崇高な目的。制定請求運動の盛り上がりこそがその目的達成への近道なのに、『運動の中枢を担う方々』の参加意欲を削ぐ原発に対する『中立戦略』が勢いを削ぐ原因になっていると思います。制定請求運動を盛り上げる為には『脱原発法案』を用意し、『原発の是非』では無く、『脱原発の是非』を問う『脱原発国民投票』にギアチェンジし、『脱原発賛成運動』として立ち位置を鮮明にすべきと改めて強く思いました。(M.K.さん)

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「原発国民投票」について初めて話を聴いた。国民投票は先例がないから、ハードルは相当高いと思う。地方議会について思うのは、代議制であることを盾に住民投票やパブリックコメントを受け入れることに議員の抵抗が強いことだ。住民の側も、政治的主張をためらう人は多い。国のレベルでもおそらく同様ではないか。が、住民投票という経験を通して、一般市民が多くを学び、政治意識を高めることができるとも聞く。

原発震災から2年たっても、国は原発ゼロを言えず、新しいエネルギー政策を示すこともできないでいる。だから国をけん制し原発に対する国民の意識を繋ぎとめておくためにも、「原発国民投票」呼びかけの運動は意味があると思う。(O.M.さん)

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原子力開発方針の意思決定は方法に拘っている場合ではないが、国民投票の手続を制定することは責任政党を国民が監視するために役立つと思った。(U.K.さん)

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お任せ民主主義にサヨナラを。
市民運動には様々な形態がありますが、これまでの伝統的な反対運動には限界があると感じています。みんなで決めよう「原発」国民投票は幅広い市民のパワーが広がって行くためのプラットフォームになると思います。(N .S.さん)

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これからも議論を続けながら、静岡の「原発」国民投票運動を盛り上げていきます。
静岡の皆様、よろしくお願いいたします。

11/17 第一回東京の集い(東京賛同人会議)を開催しました

会議の模様
11月17日(日)、東京都文京区・江戸川橋駅そばの会の事務所にて、「原発」国民投票・第一回東京の集い(東京賛同人会議)が開催されました。

10人強が参加し、「原発」国民投票についての理解を深めるとともに、今後のさらなる活動に向けて新たな一歩を踏み出しました。参加者は都民投票に深く関わっていたメンバーが多かったですが、国民投票・都民投票の集まりに来るのが初めての参加者も数人いて、今後の広がりを感じさせる会となりました。

前半は、会の運営委員長である鹿野氏が「原発」国民投票について説明を実施。後半は、東京の運営委員である柳浦氏をコーディネーターに、会が発足した原点とも言える2011年3月11日、東日本大震災の発生時に何をしていたかなどの体験を一人ずつシェアし、また今後の「原発」国民投票・東京の活動について話し合いを行いました。

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前福島県双葉町長の井戸川克隆さんが参加してくださり、体験シェアのパートでは、原発の被災自治体の長の生の声に、全員が真剣に耳を傾けました。

「原発」国民投票・東京では、これからも賛同人会やイベントなどを行っていく予定です。みなさま、どうぞよろしくお願いいたします。

「原発」国民投票の実現に向けて、一歩一歩やれることを着実にやっていき、首都・東京から盛り上げていきましょう!

(写真左は、会のチラシを読む井戸川さんです)