賛同人、署名者のみなさんへの御案内(2012-10C)

みなさん、こんにちは。事務局の今井一です。
きょうは、5つの案内をさせていただきます。
 
[1]リトアニアでの「原発」国民投票及び国政選挙が終了しました。
 
国民投票では[65:35]で建設反対派が多数を占め、選挙でも原発建設反対・慎重派が勝利しました。これによって、当面、日立製の原発建設は滞ることになります。なお、第一党になった社民党幹部のキリキラス議員(前首相)への現地インタヴューなど、本会のメンバー9人による調査活動の報告を近日中にウェブサイトに掲載します。
http://gkokumintohyo.com/lietuvos
また、今週中に東京新聞の社会面に、私たちの調査活動に関する記事が掲載されます。
 
[2]本会は東京都知事選挙に積極的に関わっていきます。
 
石原慎太郎氏の辞職に伴う出直し知事選挙に関して、本会は、都民、主権者33万筆の意思を生かすべく「原発」都民投票条例制定の知事提案を行うことを約束する候補者への支持を表明します。
もし、約束する候補がいなければ、無党派の「進んで約束する」優秀な人物が立候補するよう事務局として尽力します。
まずは、11/4(日)15時~水道橋のYMCAアジア青少年センターで有志による会合を持ちます。参加自由ですが、お名前を記して事前に連絡をください⇒ tokyo.g.e1212@gmail.com
投票は12月16日です。
 
[3]来年3月10日(日)、「原発」国民投票の実施を求める街頭デモと集会を行います。
 
リトアニア同様、日本でも主権者の意思を反映すべく「原発」国民投票を実施しなさい!──という私たちの要求を掲げて都内で街頭デモを行います。デモの後、夜に杉並公会堂にて、著名な賛同人を10人以上招いての大集会を行います。なお、国民投票の実施を求めるデモは「日本初」です。みなさん、この日は空けといてくださいね。
 
[4]メディアへの登場いろいろ
 
・11/1(木)フジテレビ系列の東海テレビ放送にて、私たちのリトアニアでの調査活動の模様が紹介されます。『スーパーニュース』の枠の中で18:20~18:40頃放送されます。賛同人の作家、ジャーナリスト吉岡忍さんと今井一が出演します。
・11/4(日)この日発売の東京新聞のカラー別刷り「大図解」で、住民投票特集が組まれます。キオスクではたまにこの別刷りを抜いて販売している店があるので確認してから買ってくださいね。
・11/16(金)19時~「パックインニュース/場外バトル」~「原発」国民投票と都知事選挙について語る。千葉麗子、横尾和博、今井一ら。
11月16日(金)19:00~21:00 
六本木「ミュジックバー モビーディック」にて
会費2000円(ワンドリンク付)
予約:te: 090-8081-1293 fax 03-3237-7052(大久保宛)
event@kinkin.tv
 
[5]著名人が続々と新たな賛同人に
 
坂本龍一さん、孫崎享さん、平田オリザさん、村田光平さん(元駐スイス大使)ら、著名人が続々と新たな賛同人になってくださっています。
また、ウェブサイトの「リレートーク」では、辻井喬さんに続いて田中優さんが登場しています。ぜひアクセスしてみて下さい。
http://gkokumintohyo.com/archives/5835

2012年10月31日 | コメント/トラックバック(0) |

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リレーメッセージ「第8回 田中 優(環境活動家)」

日本各地を飛び回り、「持続する志」を語り広げる環境活動家の田中 優さんが、メッセージを寄せてくださいました。


田中優


田中 優(たなか・ゆう)
「未来バンク事業組合」「天然住宅バンク」理事長、「日本国際ボランティアセンター」 理事、「ap bank」監事、「一般社団法人 天然住宅」共同代表を務める。
立教大学大学院・和光大学大学院・横浜市立大学の非常勤講師。
HP http://www.tanakayu.com/

 私たちは選挙によってどうしたいかを選ぶことができる。「投票箱の民主主義」だ。そのときの判断基準は何だろうか。「未来の日本をこうしたい」とか、「税金をこう使いたい」というものだろうか。民主党のように政策マニフェストを作っておきながら、マニフェストは実現せずに書いてないことばかり実現するのは言語道断だが、ごった煮になった政策では、実現したいものとそうでないものが混じってしまう。ここから「選びたい政党がない」という言葉が生まれ、「投票箱の民主主義」までをも否定してしまう。特に若い人たちが投票に行かなくなる。それは「主体的に生きていくつもりはないから、どうにでもしてくれ」と白紙委任しているのと同じだ。

 一方で政策選択は、「まとめてセットで」というわけにはいかない。「脱原発を言っているけどファシズム」と、「原発に反対していないけど民主主義者」のどちらを選べばいいのか。「究極の選択」だ。毒と薬は合わせて飲めない。選択は、それぞれを単独で選びたい。そこに必要なのが「国民投票」という仕組みだ。しかし領土問題や紛争のように、人々が感情的になりやすい問題をどうしたらいいだろう。ここから国民投票を否定することはたやすいが、それは一方で政府の機能不全に期待していることでもある。やはり人々の民度に期待すべきだと思う。人々が感情だけで決定しないように、不断の「民際交流」で敵意をなくしていくべきだ。今やEU内でドイツとフランスが戦争するとは誰も考えないだろう。こうした仕組みを作る努力が必要なのだ。

 よく「人々が原発を支えてきた」と言われるが、実際には一度も聞かれていない。福島で現実になったように、何十万人の人々の暮らしを台無しにするほど危険な選択だったのに。政策セットとしては選んだかもしれない。しかし実際には「投票詐欺」ではなかったか。意図を隠したまま、言葉だけ「懸念する、安全性を重視する」というような。

 正しい判断をするには、情報が決定的に重要だ。メディアはいつも人々の意識を操作する。福島県内では「ここに住むのは危険だ」、「食べ物には注意したほうがいい」と言うのは難しい。郷土愛に反するかのように情報操作されているからだ。その一方で、だまされない人たちもたくさんいる。インターネットやSNSの情報が、情報操作を覆していくからだ。

 社会を変えるのはヒーローであってはならない。それではファシズムと同じだからだ。のろまで愚かしく思えても、社会は人々の力で変革されなければならない。人々の力を信じ、人々と共に時代を変えていくのだ。だから、原発の存続を決するのは「国民投票」をするのがいい。


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【速報】ゲディミナス・キルキラス元首相と会見

【速報】ゲディミナス・キルキラス元首相と会見
 
[ビリニュス10月15日20時 今井一]
新政権に入るであろう社民党のゲディミナス・キルキラス元首相に会ってきました。

社民党のゲディミナス・キルキラス元首相

大差をもって原発建設反対票が多数を制したからには、たとえ諮問型国民投票であっても、その民意を汲むべきではないか。どうするつもりか?と質したところ、今回、国民は十分な情報を得られないまま投票に臨んだことなど、いくつかの問題点をあげながら、原発建設計画を白紙にするためには「新たな国民投票を実施して主権者の意思を確認する必要がある」と述べました。
彼の発言の詳細は、今週末までに市民グループ【みんなで決めよう「原発」国民投票】のウェブサイトに掲載します。19、21日の報告会においてもお話します。
 
 
【速報】選管委員長会見 まだ国民投票『成立宣言』せず
 
[ビリニュス10月15日14時 今井一]
リトアニア「原発」国民投票、選挙に関する選管委員長会見に出席。
精査の必要があるとして、選管はまだ国民投票『成立宣言』をしていません。
ただし、発表されている52.34%の投票率が今後精査によって50%を割り込むとは考えにくく、現地の人々の大方の見方は「成立した」という認識です。
最新の数字は(有効投票に占める割合として)反対票が64.83%、賛成票が35.17%。
このあと、新政権に入るであろう社民党のゲディミナス・キルキラス元首相に会って取材します。
 
 
【速報】リトアニア「原発」国民投票、開票ほぼ終了
    〈反対票〉がダブルスコアに近い数字で多数を制す!

 
[ビリニュス10月15日午前9時 今井一]
リトアニア「原発」国民投票の開票はほぼすべて終了。
〈反対票〉がダブルスコアに近い数字で多数を制す!
午前9時現在、反対票は64.9%。賛成票は35.1%。
50%以上が「成立要件」となっている投票率は51.9%。
このあと正午~政府会見。行きます。
 
 
【速報】リトアニア「原発」国民投票
    「反対票」が圧倒的多数を占める!

 
[ビリニュス10月14日23時半 今井一]
反対票は最終的に60%を超すことがほぼ確定。
一方、賛成票は40%に満たない模様。
「成立要件」となっている50%以上の投票率もクリアした。
今後は「法的拘束力」のない今回の国民投票における主権者の多数意思がどのように政治、立法に反映されるか。そこに焦点が移る。
この点については、明日、社民党のゲディミナス・キルキラス議員に会う際、訊いてみたい。

2012年10月15日 | コメント/トラックバック(1) |

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リレーメッセージ「第7回 辻井喬 (詩人・作家)」インタビュー

辻井喬さんインタビュー

2011年の夏にこの会(市民グループ【みんなで決めよう「原発」国民投票】)を結成するにあたって、辻井喬さんや谷川俊太郎さんが「呼びかけ人」を受けてくださいました。おかげで、会に対する信頼感を増して活動をスタートとさせることができ、今や6200人の賛同人を擁するようになりました。本当に感謝しています。でも、私たちの会には「名ばかり賛同人」はいませんので、今回もこの欄に登場していただきました。長年、市民自治や民主主義というものに対して深く洞察し、発言されてきた辻井さんのお話を、じっくりとどうぞ。


記事中、辻井喬さんは「辻井」、今井一は「今井」と表記しています。


今井:3年前に『マガジンナイン』というサイトで、辻井さんが、日本はなかなか大衆の自立ができてないという話をされています。3.11は、それが大きく変わるきっかけになるのではと期待したのですが、この1年半、3.11以降の大衆、市民の動き、それから政党、政治家の動きを改めてどんなふうにとらえていらっしゃるのでしょうか。

辻井:私はね、あの3.11の大震災、そして福島での原発事故を受けて、逆に日本人は捨てたものではないという認識を持つようになりました。それは、外国では、ああいう災害が起るとたいてい略奪とか放火とか、治安が弱くなったのに乗じて、騒動が起きるが、日本人はなんと見事に近所の人たちと助け合っていた。これはなかなか考えられない事だと、誉めている外国人が多い。「だから日本人は駄目なんだ」と、私がこれまでずっと言っていた事は、こっちの思い上がりかも知れない(笑)。本当はみなしっかりしてる。我慢強いから表に出さないで頑張っている。だけど、いよいよこれは駄目だとなったら、日本人は爆発させるだけのエネルギーを持っていた。知識層が理詰めで駄目だというから駄目に見えるのではないかという点が一つ。もう一つは、あの地方の自治体に、町長、市長、知事でも村会議員でも、リーダーシップを持った人があんなにいたという事は、おそらく日本人でも驚きだったと思う。

今井:つまり日本の政府は頼りなかったけども、地元の首長や議員、あるいは市民のリーダーはなかなかしっかりしていたと。

辻井:しっかりしていました。それで、一時的に中央集権のコントロールがきかなくなった、希薄になりましたよね。各自治体の長は、必要範囲に応じて、速やかに自分で決めて実行しなければならなかった。決定を待っていたら三か月先になるか、半年先になるか分からない。しようがないからって決めた。その結果、その人達の現実を見る力、決め方は相当なものだった。それがこれまで何故出て来なかったか。地方の自治に被さっていた中央集権のかさぶたのような蓋がずっと残っていたから。

今井:それが自治の邪魔をした。

辻井:邪魔をした。ところが、大災害になってそのかさぶたが取れ、必要なことは自分たちでやった。なのに、政府はまた直ぐかさぶたを作り始めた。考えてみると、日本のような発達した産業国家で、100年以上も中央集権システムなのは日本だけ。他の国はみな制度改革をして、例えばドイツなどは、地方が先で中央が後だと直している。日本の場合は明治の頃の中央集権そのものなんで、やっぱりそこに間違いがある。そういう点の日本の作り直し、改造運動が必要な時に、「頑張ろう日本、日本復興だ」と言っていればいいというのは間違い。戦争で焼け野原になった時に「頑張ろう日本」と言ったのと同じ感覚でいてはだめですね。

今井:なるほど。

辻井:やっと医者のOKが出てね。この前、被災地、南相馬市へ行って来ました。やっぱり行ってみないと分からないですね。津波と震災でね、平均して50~60cm地盤が下がっちゃった。人が立ち入れるようになった南相馬市のエリアがね、一面に水が、海水が張っちゃって。そこをいくら埋め立てても、いい耕作地にならない。

今井:海水が入っちゃてるから。

辻井:東大の先生に案内してもらったんですが、行くとね、雉子が飛び立ったり、ウサギやイノシシが飛び出したり、野生がいい意味で進出して来ている。人間が1年そこにいなかったから天敵がいないし。でね、山の上には新しい建物があるんですよ。「あれなんですか」って聞いたら、「子どものための教室です」って。で、「子どもさんはいるんですか」って言うと、「いやー、一人もいないんです」って言うんだよね。

今井:いないんですか。

辻井:みんな疎開してるから子どもはいないのに、いると称して予算がついてそんなものを作った。それこそ自治体の現場を知っている人の意見でお金を使わないと、無駄使いになっちゃう。

今井:要するに地元の土建屋のための公共工事だから、それが無駄であろうが無駄でなかろうが何でもいいって感じですね。

辻井:ですからね、根本的にシステムを変えないといけない事件だったんです、あれは。

今井:なるほど。小手先の事じゃ駄目だ。中央集権の問題も含めて根本的に変えないと駄目なんですね。

辻井:そう思いますね。実際には、地元には立派な人がいるんです。だけど、今ここで自分たちでやっちゃうと、後で中央の省庁から意地悪されたら大変だってね、迷っている人もいるわけですね。とにかく政府や政治家の反応は極めて鈍くて、時代遅れで形式主義ですね。これは良くないです。

今井:東京や大阪では、その政府や議会に抗議する官邸前集会や関電前集会が盛んになってきていますが。

辻井:僕は、官邸前集会などのいろいろなタイプの運動が起こって来ているのは賛成です。今度の場合、労働組合のナショナルセンターとか政党が関与して「やれやれ」と言っているのではないのではないかという感じがありましてね、それはすごい事だと思うのですね。

今井:60年安保とはちょっと違いますか。

辻井:違います。あの時は、共産党、社会党がリーダーシップ、まだセクショナリズムを持っていて自由な運動・デモを抑えにかかった。で、新左翼が生まれちゃった。新左翼のほうはですね、「あの時全員が国会に突入していれば勝てたんだ、共産党のために我々の運動は挫折した」と批判する。でも、僕は、それは違うんじゃないかと思う。つまりあの時に、そういった旧組織のコントロール抜きの運動というのは始めてだった。旧組織も困っちゃったし、混乱は起きた。でも議論した事があるんですよ、ではあの時全学連が全員国会へ突入したら勝てたのかってね。ただ犠牲が増えただけなんじゃないか。

今井:当時、東大の学生だった樺美智子さんのようなね。

辻井:そうです。彼女のような犠牲者が。まあいずれにしても、いわゆる革新勢力が安保闘争によって開かれた新しい事態、運動のうねりに対応できなかったという事は確かですね。

今井:官邸前集会では主催者がすごく冷静なんですよね。抑えて抑えて、決して突入なんか駄目、暴力は駄目、向こうの思う壷になると。あの中にいる市民は成熟していますよね。

辻井:そう思います。

今井:それは辻井さんが、長年がお考えになっていた、市民はこうあるべきだ、大衆はこうあるべきだという理想のかけらがかすかに見えたという感じがしますか。

辻井:僕は、しているんです。ですが、はっきりしたものではない。油断すると見えなくなっちゃう。大事なときだと思います。

今井:ちょっと気になるのは、官邸前集会にあれだけ沢山の人たちが集まっているのですが、次の一手が見えて来ないんですよね。

辻井:はい、そうかもしれない。

今井:それで、近いうちに総選挙が実施されるのですが、深刻な原発事故から1年半も経っているのに、日本では選挙での脱原発票の大きな受け皿を作れないままです。例えば、すでに存在している3つの政治グループ「みどりの風」「緑の党」「緑の日本」が一つになれないでいる。本当に残念なんですが、あんな風に官邸前に20万人もの人が集まっているにもかかわらず、総選挙は結局自民党と民主党、あるいは維新の会なんてところが多数の議席をぶん取っていく。その辺は、辻井さん、どんなふうにお考えでしょうか。

辻井:心配ですね。で、私の勝手な意見を言わせていただくと、橋下っていう人は、僕は信用していません。口はうまいけれど、どっちの方向を向いてしゃべっているのか分からない。そういう人は、私は信用できない。で、どうすればいいか。一つは、これまでいろいろな経験をして来ている労働組合の連合、あるいは共産党といったところの人が、その経験をみなのまえに提供すべきだと思います。それをしてないのではないかな。
俺たちが主導していない運動だから知らないよ、というのはちょっとおかしい。経験を持っている人は経験を、資金を持っている人は資金を、みんなが持っているもので、運動に貢献できるものを集めて盛り上げていかなければならないのに、ちょっと心配ですね。


今井:昔は中選挙区制だったから、例えば共産党でも大阪や京都、東京なんかでけっこう議席を獲得してましたよね。でも、今は小選挙区制で一人しか通らないのだから、社民党も、共産党も、官邸前に集まっている人々、緑の党を作ろうとした人もみな力を携えて、ここは共産党の候補者を推そう、ここは社民党を、あるいは、そういうのも全部なしにして、総選挙用に一つの党の名前を作って候補を出したらどうだ、もうそれしか道はないと主張する人もいるんですが。

辻井:うーん、それは非常に健康な人の発想ですね(笑)。私は健康な人だとしか言いようがなくて、共産党、社会党のセクト主義、これはどうしようもない。今までは何回かね、やっぱり市民運動として候補者を絞って、という話もあったんです。いろんな場面でね。ところがその動きが政党などに伝わるとね、じゃ俺の方が立てる、むしろ壊れようが壊れまいが、自分の派閥というか自分の組織のプラスになることだったら、まあ人殺し以外は何でもやる。それじゃあ駄目なんだよと言いたいんですけどね。

今井:ではどうやったら官邸前に集まっている人や、その後に控えている沢山の目覚めて来た市民のみなさんの力を活かして国会へ代表を送り込むという形に持って行けるんでしょうか。これは難しいんでしょうか。

辻井:いや、やっぱりいい代議士が今みたいに少ないはずはないのでね、あきらめずに現職代議士の本当の考え方に接触して、つまりいい面を引き出していかないといけないなあと思いますね。

今井:ただ自民党政権が終わって、民主党政権に期待をかけたのに、みんながっかりしちゃった。

辻井:それは、がっかりするのは分かります。しかしね、何もトレーニングもしないで野党が自分たちでも政権を取れると思ってなくて、取っちゃった。いろんな不首尾が目立ってもしようがない。でも、とにかく自民党に戻す事だけは止めなさいと私は言いたいですね。

今井:でも自民党に戻っちゃいそうなんですよね。

辻井:戻っちゃいそうなんですか。

今井:おまけに、「原発容認」とはっきり言って戻りそうなんですが。それに、橋下・維新と手を組むかもしれない。

辻井:いや、それは困るな。最悪だね。民主党の中の本当にリベラルな人たちはどうしているんだろう。

今井:その(リベラルな)人たちが、支持政党なしの無党派層と繋がっていかないと。

辻井:いや、私は最近はね、政党の名前にあまり気をつかわないでね、この人達はと思える人の集会に行ってしゃべる事はしている。そうするとね、自民党の中にもいい人はいるんですよ。例えば、河野太郎とか林芳正とかいい人は何人かいるんです。あの人達は党の中では力を持っていない。同じように民主党の中にも本当はいたはずなんです。ただ政権取ったらわけが分からなくなっちゃったですね。

今井:仙谷さんなんかもそうですよね。

辻井:僕もびっくりしてるの。仙谷さん、あれちょっとどうしちゃったのと。仙谷さんを中心に市民政治を盛り立てようという意見があったくらいなのに、いつの間に権力の鬼みたいになっちゃって。

今井:そう、なっちゃって。あんな事故が起きているのに、ベトナムに原発を輸出しにいくとか。

辻井:仙谷さんが行っているんですって。

今井:仙谷、前原の2人でセールスに行ってましたよね。

辻井:それはね、前原さんが行くのなら分かりますよ、そういう人だから。でも、仙谷さんが行っちゃいかんですね。でね、彼のような革新派にも理論的に弱いところがあるんです。つまりね、科学技術の進歩に反対する事は本質的に何かタブーみたいなところがある。これはね、一種の生産力主義ってのかな、生産技術は進歩し、組織率が高まってこそ、革命はできる。

今井:レーニン主義みたいな。

辻井:そうです、レーニン主義ですよ。僕は、生産力主義のマルクスも、レーニンも、そしてスターリンが一番悪くしたと思ってます。ですから、好意的に仙谷さんの言う事を考えれば、昔の生産力主義みたいなものに囚われているんですかね。ベトナムが言うのは分かる、あれはナショナリズム一点張りですから。俺のところは枯れ葉剤の被害を受けた。だけど乗り越えた。それは間違いないんだけど、そんな単純ではない。ここでしっかりしなきゃいけない。しっかりする元はね、母親が子どもを産めるか、子どもを守れるか。そこが原点だ。
母親は100人いたらおそらく98人くらいまで戦争、原発に反対ですよ。「子どもを守る」というこの問題は絶対にあやふやにしてはいけないし、あやふやにできない本質的なものをもっていると思うな。


今井:確かに、新潟県巻町の「原発」住民投票だって、沖縄県名護市のヘリ基地問題の住民投票だって、男性は半々でしたが、女性の7割以上は反対票を投じました(出口調査結果)。さて辻井さん、今のこの時期は市民が、自分たちが主権者として本当に政治や行政の主役に躍り出る事ができるかどうかの大事な時期ですよね、

辻井:そう、本当に大事だ。

今井:市民自治で言えば、これまでいろんな意味で「お任せ」が過ぎたと思うんですよ。さっき仰ったように、民主党が政権を取ったのは良かったのですが、でも私たち市民はそこで民主党政権にお任せしちゃったわけですよね。

辻井:お任せしちゃうのは駄目ですよね。

今井:駄目ですね。で、そういう事もあって我々は、これまで柏崎・刈羽の人たちが原発があってもいいって言ったらいいんだ、みたいな。あるいは、伊方の人が、泊の人が、大飯の人がいいって言ったらいいんだ。だから、都会のやつは口を出すな。これまではそんな感じでした。でもそれじゃあいけないと思って私たちは大阪市や東京で「原発」住民投票実施の請求運動をやったんです。

辻井:都民投票は結局、議会と知事に握りつぶされたんですね。

今井:そうなんです。石原慎太郎さんは絶対反対。都議会も多数決で反対。

辻井:石原ね、あんな悪い奴はいないですね(笑)。

今井:柏崎・刈羽で作っている電力を使っているのは新潟ではなく東京都民だから、都民がしっかり関わって行こうと、その責任と権利があると言って始めたんですが、残念ながら、石原慎太郎さんが反対して都議会も最終的に反対をして、住民投票はできませんでした。

辻井:あのね、とにかく何とかいう、元作家と称するつまらん副知事がいるでしょう。

今井:猪瀬さん(笑)。

辻井:もうどうにもならないよね。

今井:作家コンビですから。日本ペンクラブ・コンビでもありますが。

辻井:知ってます。ああなる前からね。とにかく文学が分かってない。自分が有名になれば何でもする。ほんとに困った人だ。とりまきは、お釈迦様に礼拝するように石原慎太郎に礼拝している。だけど都の職員からは、あんな嫌な奴はない、と言われていますから。

今井:辻井さん、国民投票はどうですか。私たちは何としても国民投票で原発の存続に決着をつけたいと考えてるんですが。

辻井:国民投票は断じてやるべきです。だけど、その、煮詰めて煮詰めてひっくり返されないようにしないと。というのは国民投票というのは諸刃の刃ですからね。だからそこのところをどうクリアするかという問題が一つある。

今井:ルール設定、設問をいじられたりして。

辻井:そうそう。それがちょっと心配なだけで、目的自体は大賛成ですね。あまりお役には立ってませんが。

今井:そんなことはありません。辻井さんや浅田次郎さん、天野祐吉さんといった方々が賛同人として名を連ね、こうしてウェブサイトに登場して下さることが、私たちの会や運動への信頼感を高めています。去年の6月、何のコネもない私たちが、みなさんにお手紙を出させていただいた時、一番初め、翌日すぐにファックスで「賛同人になる」と返事してきて下さったのが、谷川俊太郎さんだったんですよね。あまりの早さにびっくりしたんですが。

辻井:偉いね、あいつも。

今井:で、その次に早かったのが辻井さんだったんですよ。

辻井:ほんとに(笑)

今井:今でこそ、沢山の人が当たり前のように賛同人になって下さっていますが、最初は谷川さんと辻井さんが返事を下さって、僕らすごく勇気を貰ったんです。本当に有り難うございます。

辻井:私はね、「原発」国民投票の運動をみなさんがしてくれるのはとても有り難い事だと思っています。

今井:何とか、谷川さんも辻井さんも私も、みんなが元気で生きている間に国民投票を実現したいと思ってます。

辻井:そうね。できればいいよね。油断しちゃいかんけど、これは絶対世論の支持は取れるテーマですからね。じゃんじゃん押して行くしかない。

今井:そうですね。今度10月14日にリトアニアで、政府が認めた日立・GE製の「原発」建設を認めるかどうかっていう国民投票があるんです。で、私たち会のメンバー10人が調査をしに行こうという事で、1週間にわたって現場に赴きます。どんなルールでやるのか、どんなふうな宣伝合戦をしてるのか、討論会はやってるのか。いろいろ、調査して来ようと思っています。

辻井:いいですね。

今井:また現地で手に入れた資料をお届けしますので、よろしくお願いします。

辻井:分かりました。行ける人はどんどん行ってください。私なんか、鎌田慧さんや大江健三郎さんや落合恵子さんに「あなたもデモや集会に出て来なさいよ」と言われ、行きたい気持ちはあるんですよ。でもドクターストップがかかっていて。やっぱり健康の問題があって、今無理して行ってバテるよりは少しでも長く続けるためにと我慢しているんです。ただ、後ろの方の座席にいてもワーワーいうだけは言わせてもらえればいい、そう言ってるんですけどね。

今井:わかります。みなさん、わかっていらっしゃいます。どうぞご自愛ください。きょうは本当にありがとうございました。


辻井 喬(つじい たかし) プロフィール
詩人・作家。本名:堤清二、現在公益財団法人セゾン文化財団理事長。1927年東京生まれ。
1955年に詩集『不確かな朝』を刊行以来、数多くの作品を発表。2006年に第62回恩賜賞・日本芸術院賞を受賞。2012年に日本現代詩人会主催の先達詩人顕彰を受賞。日本芸術院会員、日本ペンクラブ理事、日本文藝家協会副理事長。
近著に詩集『死について』(思潮社)、小説『茜色の空』(文藝春秋)、回顧録『叙情と闘争』(中央公論新社)、詩論集『生光』(藤原書店)、評伝『司馬遼太郎覚書』(かもがわ出版)、紀行『古寺巡礼』(角川春樹事務所)、エッセイ集『流離の時代』(幻戯書房)などがある。


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賛同人、署名者のみなさんへのご案内(2012-10B)

[リトアニア、ビリニュス10月14日午前9時発]
事務局長の今井からみなさまへのお知らせとご案内
 
【リトアニアでの「原発」国民投票の調査・報告を進めています】
  
◆本日14日に実施されるリトアニアの「原発」国民投票の現地調査を目的として6日より、私を含む本会メンバー9人が現地ビリニュスに赴き、さまざまな取材・調査活動を進めています。
賛否ほぼ互角とみられるこの国民投票。いよいよ投票所での投票(あわせて国会議員選挙の投票も行われる)が始まりました。
http://gkokumintohyo.com/lietuvos
これに先立ち、私たちは、今回の「原発」国民投票に関する市民の意識を探るべく、現地において、対面による調査を行いました。
昨夜、その集計結果が出ましたので、「速報」ということで、数字と若干の解説をウェブサイト上に報告しています。
ここにアクセスして下さい⇒ http://gkokumintohyo.com/archives/5766
 
なお、詳細な報告は、今週末までにウェブサイトにまとめますが、19、21日には東京・大阪において「報告会」を開催しますので、ぜひお越しください。
http://gkokumintohyo.com/lietuvos#houkoku
 
それから、日本時間の、15日午前5時~10時の間に、賛否どちらが多数を占めたのかが判明すると思われますので、ホームページ上に【速報】を流します。

2012年10月14日 | コメント/トラックバック(0) |

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【速報】リトアニア「原発」国民投票に関する市民の意識調査

[リトアニア、ビリニュス 10月13日22時発]
市民グループ【みんなで決めよう「原発」国民投票】は、明日14日にリトアニアで実施される「原発」国民投票(あわせて国会議員選挙の投票も行われる)に関する市民の意識を探るべく、現地において、対面による調査を行いました。


13日朝、ビリニュス中央駅前で落ち葉を清掃していた
女性に「調査」への協力を求める調査チームの大島。

先ほど、その集計結果が出ましたので、「速報」ということで、数字と若干の解説をお伝えします。


市民から回答を得た調査用紙を集計。
ビリニュス市内の滞在中ホテルの一室で。

調査日は10月10日~13日
調査エリアは、大学、旧市街、新都心、スーパー前、期日前投票所、「原発」建設予定地などさまざま。
回答を得た世代は10代~70代で、最も多いのは20代~30代
性別は、男女ほぼ半々。
示した質問はこちら⇒「リトアニア 調査用紙 日本語版」pdf 80KB
 
◆得た回答の総数 523人
 
◆今回、「原発」建設の是非について国民投票にかけることに
 
 賛成と答えた人 293人(56%)
 反対と答えた人 230人(44%)
 
◆賛成と答えた人の理由の内訳(※複数選択あり)
 
□大事なことなので、政府や議会が決めるのではなく、国民が直接決めたほうがいい。
 230人
□政府の決定と主権者・国民の多数意思がねじれていると考えるから。
 79人
 
◆反対と答えた人の理由の内訳(※複数選択あり)
 
□原発の問題は政府や議会に任せるべき。
 71人
□国民投票は「衆愚」になる可能性が高い。
 134人
□ラトヴィア、エストニアなど他国も絡んでおり、リトアニア国民だけで決めるのは誤り。
 72人
 
【若干の解説…今井一】
詳しい解説及び本会の見解については、来週末までに整理して掲載しますが、きょうは、若干の解説を添えておきます。
 
・すでに、日立+GEと「契約済」になっている原発建設計画だということで、このタイミングではなくもっと早く、つまり契約する前に国民投票にかけるべきではなかったかという意見が少なくなかった。ただし、そう話す人の中にも「投票はする」という人がいた。
・期日前投票所で行列を作っていた人たちの中の120人から回答を得た。投票しにきてるのだから、国民投票の実施に賛成する人が多いと思いきや、集計結果は59:61で反対のほうが多かった。
・実施反対者の中で、その理由として「衆愚」になる可能性が高い──を選択した人が134人と多かったが、これはリトアニア市民が政治家、議員に比べて理解力・判断力が劣ると考えている人ばかりではなく、市民が的確で賢明な判断をするための十分な情報が開示されていないと考える人の数字も一定数入っています。
 
取り急ぎ、詳細は後日。
また、私たちは東京と大阪で、19、21日に報告集会を開催しますので、ぜひお越しください。
報告集会の詳細
 
リトアニア 「原発」国民投票特集

2012年10月14日 | コメント/トラックバック(3) |

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静岡県議会が「原発」住民投票条例案を否決しました

 本日2012年10月11日、静岡県議会は16万5127人分の有効署名をもって住民から直接請求された中部電力浜岡原子力発電所(御前崎市)の再稼働の是非を問う住民投票条例案について、原案を全会一致で、修正案を賛成17、反対48の反対多数でいずれも否決しました。
 
浜岡住民投票見送り 静岡県議会、条例案否決」(中日新聞)
浜岡原発再稼働めぐる住民投票、静岡県議会が否決「国の問題、なじまない」」(産経新聞)
浜岡県民投票実施せず 静岡県議会、修正案否決」(北海道新聞)
浜岡原発の住民投票条例案を否決 静岡県議会」(朝日新聞)
浜岡原発 住民投票条例案を否決」(NHK)
浜岡県民投票条例案 県議会が修正案、原案とも否決」(静岡新聞)

2012年10月11日 | コメント/トラックバック(0) |

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リトアニア調査団 USTERAM映像配信

リトアニア調査団が、現地から随時USTERAMで生中継します。
また、録画配信も行います。

*10月14日に投票が実施される「原発」国民投票の概要については、特集ページをご覧ください。

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●2012年10月12日 [YouTube]
リトアニア・イグナリナ原発に行ってきました(英語)。

 イグナリナ原子力発電所を見に行きました。
 イグナリナ原発は2009年に稼働を停止した原子力発電所です。現在廃炉作業が行われていますが、隣接地に日立製の新原発を建設する計画が進められています。
 調査団のうち4人が、「とにかく行ってみよう」と急遽足を運んだものです。
 行ってみると柏崎原発などと同じように、一般の方への広報施設(インフォメーションセンター)があり、原発について説明をしてくれました。原発内部の映像を見せてもらったりもしました。「事前に連絡をくれればもっと説明してあげられたのに」と何度か言われたとのことです。

●2012年10月12日 [YouTube]
リトアニア原発国民投票期日前投票を終えた女性2人にインタビュー(英語)。

一人はイギリスに長くいたために、投票できませんでしたが、リトアニアの置かれた状況や原発について話してくれました。

2012年10月10日 | コメント/トラックバック(0) |

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