八幡浜住民投票条例案が6対9で否決

八幡浜住民投票条例案が6対9で否決

1月28日、愛媛県の八幡浜市で臨時議会が開催され、有権者の約3分の1、9,939筆の署名により直接請求が実施された「四国電力伊方原子力発電所の再稼働の賛否を問う八幡浜住民投票条例」が審議されました。結果、議長を除く15人の議員で採決が行なわれ、賛成6、反対9の賛成少数で条例案は否決されました。

「市民の会」の記者会見

否決を受け、同日、直接請求を実施した「住民投票を実現する八幡浜市民の会」(以下、「市民の会」)の請求代表者5人が記者会見を開きました。

八幡浜市議も務める石崎久次・共同代表は、「大変、残念であります。民意が反映されなかった」と切り出しました。「自分たちが判断をして、次の選挙のときにそれを市民のみなさんに判断していただければいい」という議員の考えは、今回の直接請求署名の数で示された民意を理解しないものだと批判しました。

もう一人の共同代表である遠藤綾氏は、「住民自治の問題と原発の問題、そしていまの国政と地方自治の問題など、さまざまな側面が含まれている住民投票運動だった」と振り返るとともに、「本当の民主主義とはどういうものか?」と問いかけ、「数の力で負けた」と悔しさを滲ませました。また、記者から市長リコールの可能性を含めて今後の活動について聞かれると、「これからみんなで、どのように今回のことを受け止めて、そしてどうやっていくのか、話し合って決めていきたい」と答え、あらゆる可能性を排除せずに検討を進めていく姿勢を示しました。

また、請求代表者の一人で原発反対運動をずっと続けてきた斉間淳子氏は、「ここに来るまで、一人一人の市民の意見を聞いてきて、本当に素晴らしい運動を始めた」「『住民のことは住民の力で決める。私たちのことは私たちで決めたい』との想いが十分に伝わってきた」と運動を振り返り高く評価し、「私は住民投票運動がこれで終わらず、原発反対運動の要として、今後、続いていくことを心から願います」とも語りました。

岩渕治樹市議は、「本当に残念の一言に尽きます。また、9,939名の貴重な署名を活かせなかったのは、私どもの力不足、本当に、その辺も悔いております」と語ると共に、「市民の方がしっかり考えて署名をいただいたにも関わらず、議員が全く考えず、色々なことを研究もせず、ただ否決。これをしたのは非常に同僚として悲しいし、恥ずかしい」と否決にまわった議員を非難し、市民からそっぽを向かれないために「もっともっと勉強をして、市民の声を聞いて、活動をしていきたいと思っています」と話しました。

大山政司市議は、否決という結果が全てではなくて、「結果が出るまでに私たちが動いて、市民の皆さんと接触することで、運動が広がっていった」ことを「本当に貴重な経験であった」と振り返りました。また、「八幡浜は本当に、産業にしても、自然が一番大事な地域でありますので、ぜひとも頑張っていきたいと思います」と語りました。

記者会見の模様は、「eitvkk まや」さんがYouTubeで公開している動画「2016 1 28八幡浜住民投票条例案採決」でご覧いただけます。詳細を確認したい方は、ぜひこちらをご覧ください。

「原発」国民投票の支援について

みんなで決めよう「原発」国民投票は、2015年11月7日に声明を発表し、「市民の会」に賛同し、支援する姿勢を明確にしました。そして、メンバーの現地派遣や、原発都民投票・原発大阪市民投票の直接請求の経験を伝えることによって、微力ではありましたが、「市民の会」を積極的に支援してきました。これからも「市民の会」の動向を注視しつつ、応援をしていく予定です。また、八幡浜市民の「原発再稼働の是非について、市民の声を聞いてくれ!」という切実な願いが、他の地域、そして全国へと広がっていくことを願うとともに、これからも「原発」住民投票、「原発」国民投票の実施に向けて、鋭意努力をしていきます。

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