開催報告:気候対策は市民が決める! 欧州と日本の「気候市民会議」(動画あり)
去る2021年6月12日午後、地球温暖化への対応を話し合う「気候市民会議」をテーマとする講演イベントを、オンライン形式で開催しました。気候変動問題について、日本では首相の2050年カーボンゼロ宣言、第6次エネルギー基本計画が注目されています。ヨーロッパでは無作為抽出=くじ引きで選ばれた市民が気候変動問題を議論し、意見をまとめる「気候市民会議」が各地で実施され、日本でも札幌市・川崎市で行われています。今回のイベントでは、フランス、イギリスなどヨーロッパの気候市民会議について調査報告をまとめられ、札幌・川崎での会議の実施にも大きな貢献をされている一般社団法人環境政策対話研究所代表理事の柳下正治さんを講師にお迎えし、多くのご参加をいただきました。
開会に際して当会運営委員長の鹿野隆行氏から挨拶があり、気候市民会議が当会では初めてのテーマであり、政策決定への市民参加、エネルギー問題の関連、熟議の重要性など活動の接点があることが紹介されました。続いての柳下氏の講演のなかでは、主にフランスの欧州市民会議について、市民パネルの作成、運営体制、会議デザイン、提言の内容、提言公表後の動きなど、その過程を詳しく解説していただき、またイギリスについても比較の視座からお話がありました。日本国内の事例は、現在実施中の脱酸素かわさき市民会議(5月~10月に全6回開催)について取り上げ、概要が紹介されました。講演後は多くの参加者の方から質問があり、欧州の例で市民パネル作成の際にマイノリティの人が含まれているか、実際に会議を計画しようとする際に必要となること(予算、首長の理解等)、日本の政権内での市民参加を重視する動きについてなど、活発な質疑応答が見られました。
当日は、当会会員・賛同者の方、研究者や自治体議員、環境関係の市民活動をされている方、その他一般の方々が、全国また海外からもご参加いただき、このテーマに関する関心の高さが感じられました。エネルギー問題に関わるデモクラティックな手法について理解を深めるためのイベントは、今後も開催していきたいと思います。鹿野運営委員長による挨拶、柳下氏の講演の内容は、以下の動画でご覧いただくことができます。質疑応答など、当日の様子の詳細は、次号の会報「MINT」でも報告いたします。(文責 稲田)
2021年7月25日 | コメント/トラックバック(0) |
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