松江市でも直接請求署名活動がキックオフしました

●島根県松江市でも直接請求開始

11月29日(月)、島根県松江市で、市民団体「どうする?島根原発 みんなで決める松江の会」が、島根原発再稼働の是非を問う住民投票を求め、住民投票条例の制定を要求する直接請求運動を開始し、JR松江駅前で署名活動を行いました。

松江市の有権者数は169,454人(令和3年10月18日現在)。このうちの2%を上回る3,390筆の署名を1ヶ月間で集めることができれば、松江市議会に条例案を提出することができ、市議会で可決に至れば住民投票を実施することができます。署名開始時点での受任者数は2,500人。3,390筆の達成は容易に見込める受任者数ですが、会は民意の広がりを示すため、署名数の目標を6万筆としています。

●続発する直接請求運動

島根原発の30km圏内には、島根県側に出雲市・雲南市・松江市・安来市、鳥取県側に米子市・境港市と6つの基礎自治体があり、松江市での直接請求は、去る11月20日に同様の直接請求を開始した米子市、境港市に引き続き3例目。さらに来年1月には出雲市でも開始されることになっています。このように立地自治体及び周辺自治体で立て続けに住民投票運動が起きるというのは日本の政治史上恐らくはじめてのケースで、地元の人々の強い危機感を表していると言えるでしょう。 

島根原発の周辺30km圏内には46万人が暮らしており、島根県庁及び米子市以外の5市の市役所も30km圏内に含まれます(米子市役所も40km圏内)。出雲空港・米子空港も30km圏内。ひとたび原発事故が起きれば、都市機能の維持は極めて困難と言えます。

●複雑な民意と三択の条例案

松江市民の会が作成した住民投票条例案の特徴の一つに、再稼働の是非についての選択肢が「賛成」「保留」「反対」の三択になっている点があります。

NHKは12月1日付の記事で、「今年9月に市民団体及び島根県自治労が行った世論調査では、島根原発2号機の再稼働について、『再稼働してもいい』が17.7%だったのに対し『再稼働してはならない』は45.5%でした。」と報じています。 

https://www3.nhk.or.jp/lnews/matsue/20211201/4030010813.html

一方、山陰中央新報社が10月23日~26日に実施した世論調査では、島根県民の43.4%が「再稼働はやむを得ないが、できるだけ早く廃止」と回答。「できるだけ早く再稼働(20%)」「再稼働させてはならない(15%)」を大きく上回りました。

https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/114241

メディアに囲まれる事務局長

また、11月に会が行ったシール投票では9割の人が島根原発に疑問や不安、心配があると回答したそう。

このように設問の設定次第で回答のニュアンスが大きく異なってしまうような複雑な状況下、会としてかなりの議論を経て、的確に民意を反映させることを優先し「保留」という選択肢を設けることにしたとのこと。

当日駅頭で署名をされた方の中にも、記者の質問に対し再稼働には賛成と回答されるも複数見られ、民意の拮抗が窺えました。

●目標達成に向けて 

三上・元湖西市長

11月29日の署名活動開始に先立ち、11月28日には松江市総合福祉センターでキックオフ集会が行われ、100人を超える出席がありました。

基調講演を行った、脱原発をめざす首長会議世話人の三上元氏(前静岡県湖西市長)は、参加者から署名活動のコツについて聞かれ、自身が無名の新人として市長選に立候補した際のエピソードを紹介されました。市内の有権者に片っ端から後援会入会の案内をしていったら、有権者の⅓が後援会員になるに至り当選できた、地道にコツコツ集めるのが一番の方法だという三上氏の話に会場は大いに盛り上がりました。

会が掲げた目標署名数「6万筆」は有権者の約36%。記事冒頭にも書いた通り署名開始時点での受任者数は2,500人と発表されました。集会最後のリレートークには、みんなで決めよう「原発」国民投票のメンバーも参加し、受任者を6千人まで増やせば6万筆が見えてくる、現時点の2,500人は希望の持てる数字だと訴えエールを送りました。

どうする島根原発?みんなで決める松江の会 Webサイト

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