リレーメッセージ「第1回 杉田 敦(政治学者)」
「賛同人リレーメッセージ」では、本会に賛同する著名人の小論やインタビューを、週に一度のペースで掲載していきます。第1回目となる今回は、当会の活動を政治学の視点から支えてくださっている、杉田 敦・法政大学教授(政治学者)の最新の見解をご紹介します。
国民投票への疑問に応える
杉田 敦(政治学者)
なぜ、「原発」国民投票・住民投票か。私は元々、何でも直接投票にかけるのは反対で、基本的には政党政治を通じて、議会という場で主要な決定は行われるべきだと思っています。しかし、福島の事故から一年半にもなるのに、国会は今後のエネルギー問題のあるべき姿について十分に討論していませんし、大政党は原子力発電の是非を争点化することにきわめて消極的です。こうした中で、どうしても、直接投票が一つの方法として注目されることになります。
議会政治・政党政治の長い伝統と実績をもつヨーロッパでさえ、原発問題がEU加盟の是非などと同様、国民投票にかけられている理由も、考えてみる必要があります。遠い将来まで人びとの生活を大きく左右する、きわめて重大な問題については、主権者の明確な判断に委ねる以外にないという考え方が根底にあると思います。
原発の是非を単一争点とする選挙に期待する方々もいるようですが、思い出していただきたいのは「小泉郵政選挙」の帰結です。単一争点を装い、自民党への批判票を吸収して成立した自民党政権は、郵政民営化だけを行ったわけではありません。原発政策では一致できても、他の政策には全く賛成できないような政党を、私たちは支援すべきでしょうか。
国民投票・住民投票をやっても、脱原発派が勝てそうにないので躊躇する、という意見も一部にあるようです。日本の有権者はまだ十分に政治的に成熟しておらず、経済界やその意を受けたメディアによってコントロールされているため、推進派に引きずられてしまう、というのです。これに対しては、きわめて重大な問題については主権者の判断を求めるしかないという原則論を、まず改めて確認したいと思います。
たしかに、過去に直接投票をした小規模の自治体の場合と異なり、たとえば国民という単位で、当事者としての責任ある議論を行うにはどうするか、という難しい問題はあります(それは、私もかねてから指摘してきたことです)。しかし、福島の事故以来、一般の人びとの意識は大きく変わっており、原発の是非については、他の問題と比べてきわめて高い関心が継続的に寄せられています。このことを過小評価し、有権者の意識の低さだけを強調して行くと、つきつめれば選挙を含めて、民主政治自体を否定することにもなりかねません。
国民投票よりも、選挙や街頭の運動に力を注ぐべきだという意見もあります。しかし、私たちは、そういったさまざまなやり方のうちのどれかを選ばなければならないのでしょうか。むしろ、いろいろな形で原発問題への関心が高まれば、それは他の運動にも波及効果をもたらすのではないでしょうか。想い起こすべきは、日本の戦後の社会運動の分裂の歴史です。運動のあり方をめぐって四分五裂し、結果的に現状維持派を利するということの繰り返しでした。原子力発電を今後も維持し、増やして行くのか、それとも停止し、減らして行くのか。この大きな対立軸を見失うことなく、運動を進めて行きたいと思います。
2012年8月13日 | コメント/トラックバック(12) |
賛同人、署名者のみなさんへのご案内(2012-7D)
市民グループ【みんなで決めよう「原発」国民投票】
賛同人、署名者のみなさんへのご案内(2012-7D)
3件お届けします。
[1] 静岡、新潟での動き
・浜岡原発再稼働の是非を問う静岡県民投票の実施を求める
条例制定直接請求の署名数が、必要な法定署名数の2.7倍に
及ぶ178,240筆に達しました。請求者グループは、23日月曜
日にこれを選管に提出。8月中に本請求を行なうことは確定
的となりました。http://kenmintohyo.com/
・一方、新潟では現在、柏崎刈羽原発再稼働の是非を問う新
潟県民投票の実施を求める条例制定直接請求の署名収集が行
なわれていますが、受任者数、署名数共に低調なまま1か月
が過ぎ、今週から後半戦に突入しました。新潟に知人、友人
がいれば、ぜひ署名を勧めて下さい。http://ng311.info/
[2]7/30(月)開催の【みんなで話そう「原発」国民投票】
・[山本太郎 V.S 今井一&岩上安身]に加えて、政治学者の
杉田敦の登壇も決定しました。当日はIWJがこの催しを
ネットで生中継(チャンネル1で配信)しますので、ぜひ
ご覧ください。
*反原発派の「原発」国民投票に対する危惧・疑問につい
て山本太郎が語り、今井、杉田が応えます。
コーディネーターは岩上安身。
7月30日(月)17:30開場 18:00~20:20
定員:200名。※当日参加可能ですが、できれば予約を。
料金:500円
場所:YMCAアジア青少年センター(東京・水道橋)
http://gkokumintohyo.com/archives/4826
[3]札幌、旭川でのセミナー
8月5日(日)6日(月)、泊原発を抱える北海道において
初の「原発」国民投票セミナーを開催します。
事務局長の今井一が講師として赴きます。
5日は札幌で、
14時半~17時/会場は「かでる2.7」
http://homepage.kaderu27.or.jp/
6日は旭川で、
18時~20時/会場は「カフェデマハール」
http://tabelog.com/hokkaido/A0104/A010401/1015784
※札幌の参加費は無料(※メール配信時より変更)。旭川は自分が飲んだコーヒー代のみ。
参加希望者は、できれば4日までに本会事務局にメールにて
ご連絡下さい。
宛先(本会事務局):info@gkokumintohyo.com
メールタイトル:「札幌参加希望」「旭川参加希望」
内容:人数、お名前、連絡先
また、できれば事前に『「原発」国民投票』
(集英社)を読んで勉強しておいてください。
アマゾン http://amzn.to/PihC4O
もしくは本会事務局に本はあります(送料無料)
★なお、「原発」国民投票法制定のための衆院選立候補予定者
への働きかけについては、次回、来月の「ご案内」で詳細を
お伝えします。
2012年7月25日 | コメント/トラックバック(1) |
賛同人、署名者のみなさんへのご案内(2012-7C)
暑中お見舞い申し上げます。
いくつか、案内と報告をお届けします。
[1]明日18日午前9時~、参議院・社会保障と税の一体改革に関する特別
委員会において櫻井充議員(民主党参院政審会長)が、野田首相 に対し、
「再稼働の是非は国民投票にかけるべきではないか…」などと質問する
予定です。ぜひご覧になってください。
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
[2]7月30日(月)18:00~【みんなで話そう「原発」国民投票】開催。
「原発」反対派の危惧・不安・疑問について俳優で本会賛同人の
山本太郎が語り、みんなで意見交換をします。ぜひお越しください。
会場:YMCAアジア青少年センターB1(東京)
詳細はコチラ http://gkokumintohyo.com/archives/4826
[3]9月29日(土)15時~ 詩人で本会の賛同人でもある谷川俊太郎さん
をメインゲストに、他の著名な賛同人の方々もジョイントしての、
【「原発」国民投票・秋まつり】を開催します。会場は[1]と同じ。
他の出演者や内容など詳細については、8月上旬までにお知らせします。
[4]浜岡原発再稼働の是非を決める県民投票の実施をめざす静岡での法定
署名の収集が終わりました。現地スタッフの中には、請求に必要な法
定署名数の倍以上の署名を獲得したのではないかと言う人もいます。
今週末までに提出署名数が明らかになります。
http://kenmintohyo.com/
[5]柏崎刈羽原発再稼働の是非を決める県民投票の実施をめざす新潟での
法定署名収集。開始から3週間が経過しました。14.15日には都民投
票の精鋭11人が、運動に弾みをつけるべく東京から応援に入りました。
資金不足、人手不足等々、順調に進展しているとは言い難い状況ですが、
何とか踏ん張っています。お力添えを新潟の仲間たちに。
http://ng311.info/
2012年7月17日 | コメント/トラックバック(1) |
カテゴリー:ニュース メルマガ 事務局からのお知らせ
ご報告:さよなら原発10万人集会、ブース出展
本日7/16(月)代々木公園で行われた「さよなら原発10万人集会」で、国民投票のブース出展をさせて頂きました。
なんとイベント全体で17万人の動員を記録したそうです。
国民投票ブースも大勢の人で賑わい、頂いた署名数、実に1093筆。
道行くひとびとのあまりに関心の高さに、スタッフ一同、署名集めとチラシ配りに明け暮れました。
スタッフのみなさん、猛暑と照りつける日差しのなか、お疲れ様でした。
なおこの日午前中には、事務所にスウェーデンのドキュメンタリーチームが赤坂事務所に来訪。取材を受けました。
今回のブース出展では、国民投票への賛否を問うシール投票をやってみました。
①国民投票をやりたい 497
②まだ時期ではない 15
③やりたくない 7
反原発や脱原発の方のなかには、国民投票に懐疑的な意見の方も多いと感じていたので、この結果は意外でした。
政府の対応への反発が強まり、国民投票しかないという機運が増してきているのでしょうか?
イベント終了後、「原発」国民投票 賛同人で元東芝技術者の後藤政志さんが顔を出してくださいました。
後藤さんは、次回の公開討論会(日程未定ですが8月開催を目指しています)への登壇を快諾して下さっています。
ありがたいですね。 みんなでパチリ。
2012年7月17日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:ニュース
鹿児島県知事選挙の結果を受けて
⇒鹿児島知事選で伊藤氏3選、反原発の新人破る
鹿児島知事選の結果を受け、当会の見解を示します。
7月8日に投開票された鹿児島県知事選挙で、原発容認派の現職候補である伊藤祐一郎氏が、原発反対派の向原祥隆氏を破って当選しました。この結果を受けて、「鹿児島県人は原発容認を選択した」と考える人がいるようですが、それは正確な認識ではありません。…
⇒続きはこちら(pdf 85KB)
2012年7月11日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:ニュース
7/30(月) [山本太郎,福士敬子 V.S 杉田敦,今井一 登壇!]">7/30(月) [山本太郎,福士敬子 V.S 杉田敦,今井一 登壇!]
【みんなで話そう「原発」国民投票】──「原発」反対派の「原発」国民投票に対する危惧・不安・疑問について山本太郎と福士敬子が問い、杉田敦と今井一が応じます。コーディネーターは岩上安身。
7月30日(月)17:30開場 18:00~20:20
定員:200名
料金:500円
場所:YMCAアジア青少年センタースペースY(東京・水道橋)[地図]
出演:
山本太郎(俳優)
岩上安身(ジャーナリスト、IWJ代表)
杉田 敦(政治学者、法政大学教授)
福士 敬子(都議会議員)
今井 一(ジャーナリスト、みんなで決めよう「原発」国民投票事務局長)
「原発」をどうするのかをきっちり決めないといけないけれど、
鹿児島県知事選挙を見てもわかるように、選挙ではちゃんと民意が反映されない。
きっとそれは今度の国政選挙でも同じで、
「原発」容認・推進派が多数を占めるに違いない。
イタリアの国民投票、巻町、海山町の住民投票では、
(選挙では負けている)「原発」反対派が圧勝。
だから日本でも「原発」国民投票をすればいい
──そうは言っても、いろんな不安や疑問が…。
議論が深まっていない日本では時期尚早では?
設問次第でおかしな国民投票になってしまうのでは?
そんなふうに考えている「反対派」のみなさんとの
意見交換の場にすべく、このイベントを立ち上げました。
会場では登壇者の白熱した議論が行われ、
会場からも熱心に質問や意見が寄せられ、関心の高さがうかがわれました。
参加者には赤・青・黄、3色の色紙
(それぞれ「原発」国民投票に反対・賛成・わからない)が配られ、
討論会の前と後に掲げていただくという趣向も。
最初は黄色を掲げ、終わりには青に変わったという人もいたようです。
2012年7月11日 | コメント/トラックバック(2) |
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賛同人、署名者のみなさんへのご案内(2012-7B)
賛同人、署名者のみなさん、こんにちは。
事務局長の今井一です。
[1]本会賛同人の浅田次郎さん(作家、日本ペンクラブ会長)が、
「原発」や国民投票について思いの丈を語っています。実に興味深
い内容に。ぜひ御一読ください。本日午前10時に、カタログハウス
のウェブサイトにアップされます。
http://www.cataloghouse.co.jp/yomimono/genpatsu/asada/01/ (聞き手は今井)
[2]「原発」静岡県民投票 http://kenmintohyo.com/ の署名収集は、
明日で終了。請求に必要な法定数6万2千筆を大きく突破する模様
です。「原発」新潟県民投票 http://ng311.info/ の署名収集は、前半
18日を終え、ようやく県内での認知が広がりつつあります。
都民投票を担ったメンバー11人が、14,15日に柏崎刈羽原発を視察
したあと、長岡市と新潟市において署名収集の応援に入ります。
自分は応援に行けないけどカンパしてあげるという方は、こちらに
よろしくお願いします⇒
http://gkokumintohyo.com/archives/2133
[3]これまで北海道でのセミナーを一度も開催していませんでし
たが、8月5日に札幌、6日には旭川で開催します。小樽など他の
街でも開催を希望される方があれば、ご連絡ください。7日,8日の
開催で検討します。
2012年7月10日 | コメント/トラックバック(0) |
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事務所に豊竹英大夫さん来る!
今日は赤坂事務所に文楽の豊竹英大夫師匠がいらっしゃいました。
豊竹英大夫師匠は大阪市の「原発」市民投票の請求代表者もつとめられ、市議会本会議では意見陳述もされています。
⇒そのときの模様
先日は官邸前のデモに参加されたそうです。
今日は永田町でばったり今井さんと会い、一度事務所を見てみたいとのことでご訪問でした。
賛同人にもなって頂きました。早速今井さんがカンパをお願いし、その場で頂戴しました。
2012年7月2日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:ニュース 事務局からのお知らせ