賛同人、署名者のみなさんへのご案内(2012-10A)
事務局長の今井からみなさまへのお知らせとご案内
【リトアニアでの「原発」国民投票をリポートします】
14日に実施されるリトアニアの「原発」国民投票の現地調査を目的として9人の本会メンバーが現地ビリニュスに赴き一週間にわたってさまざまな取材・調査を行います。現地の状況は毎日リポートしますが、19日、21日には東京・大阪で「報告会」を行いますので、ぜひお越しください。
詳細については、本会のウェブサイトをご覧ください。
http://gkokumintohyo.com/lietuvos
2012年10月8日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:ニュース 事務局からのお知らせ
リレーメッセージ「第6回 湯川れい子(音楽評論・作詞家)」
2012年10月6日 | コメント/トラックバック(0) |
坂本龍一さんが『みんなで決めよう「原発」国民投票』の賛同人に!!
9月28日朝7時、坂本龍一さんから、市民グループ『みんなで決めよう「原発」国民投票』の賛同人になります、というメールが届きました。御自身で会のウェブサイト(賛同人登録フォーム)にアクセスし記入・送信していただきました。(当事務局長のツイッターより)
2012年10月1日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:ニュース
リレーメッセージ「第5回 ピーター・バラカン(ブロードキャスター)後編」
記事中、ピーター・バラカンさんは「バラカン」、今井一は「今井」と表記しています。
YesにしてもNoにしても、みんなで決めなきゃダメ。
国民もね、自分の声をそこで出さないと無責任ですよ。
今井:日本ではまもなく、3・11以降初の国政選挙、総選挙が行われることになりそうですが、今のままでは自民党が多数復活して、原発推進派の議席が逆に増える。「選挙では脱原発」の民意が反映されない可能性が高くなっています。私は「原発」の問題は国民投票で決着を付けるしかないと考え、仲間と一緒に【みんなで決めよう「原発」国民投票】という市民グループを立ち上げました。バラカンさんにもこの会の賛同人になっていただいてるのですが、「原発」と選挙、原発と国民投票についてどんな風にお考えになっていますか。
今、世論調査や政府がやったパブリックコメントの聴取からみれば、「原発はゼロにすべき」だと考えている国民が半分近くいて、この先さらに増えるはず。そして過半数になったらその民意をきちんと聞いて政治や行政に反映する以外に道はないと思う。僕個人の意見としては、大昔から、チェルノブイリ原発事故よりも前から、原発はダメだと思っていた。要するに、放射性廃棄物を出すということは、無責任極まりない行為で、あと何万年も地球を汚染することにもうなってしまっているからね。これは取り返しのつかないことだけれど、もうこれ以上続けてはならない、というのが僕の考え方です。でも、僕だけの考えでは世の中は回らない。少なくとも日本に関しては、福島の原発の周りは、すでにかなり汚染されていて、相当遠い先まで誰も住めない状況なのだから、日本人にとってのんびり考えていられる問題ではないんですよね。「原発」推進か廃止かを政府が決めるためには、まずね、国民がどう考えているか、日本人全員が自分の意見を聞かせて、その民意を反映した政府の判断でなければ意味がない。政治家たちや財界のリーダーたちがみんな、原発は経済のためと言ってるけど、「じゃあ、何?みんな金持ちになって死にたいの?」
今井:それはお一人でどうぞ。他人、特に子どもたちを巻き込むなと。
そう。すごく単純に聞こえるかもしれないけど、要はそういうことだと思うんですよ。
今井:もちろん選挙は大事だし、次の総選挙で立候補した人が「原発ゼロ」に賛成なのか反対なのか、我々が投票する前にそれをしっかり問いただし見極めることは意味がある。それはそれとして、主権者自らが直接決めるというのはもっと大事で意味がある。そして、自分たちで責任を取るということです。
この国では憲法を改正しなければ国民投票ができないということが、また一つ大きな問題だと思うんですよ。民主主義の国で国民投票ができない国はどれくらいあるんですか。
今井:ほとんどないです。ナポレオンの時代から数えて、世界中で1150件の国民投票が行われてますから。アイルランド、フランス、イタリア、スウェーデン、スイス。バラカンさんが生まれたイギリスだってやってます。それとバラカンさん、憲法を改正しなくても日本で国民投票することはできますから。かつてスウェーデンがスリーマイルの原発事故の翌年(1980年)にやったように、諮問型の国民投票だったら、憲法を改正しなくてもできるんです。
諮問型って?
今井:諮問型というのは法的拘束力のない国民投票です。
「しもん」って、この指の「指紋」ではなくて、諮問機関の「諮問」ね。YesかNoか指紋をどちらかに押すのかと思った(笑)。そうなのか、憲法を変えなくてもいいんだ。
今井:はい。ですから我々はそれをやろうとして、この運動をしているんです。すでに国民投票法の市民案も作っていまして、国会がこうした法律を制定すれば、諮問型国民投票は実施できるんです。先日行われた民主党の代表選挙では、それをやるべしと主張した候補者(原口一博氏)も出ましたよね。
法的拘束力がないものだったら、インターネットで勝手にやっちゃえばいいじゃない。
今井:いえ、それはまた別の話です(笑)。厳正なルール、きちんと議論をしたうえでやれば、結果が尊重されます。国の予算で公的にやったからこそ、スウェーデンにしても、EU憲法批准についてやったオランダにしても、結果がちゃんと尊重されるんです。今度我々が現地調査に行く10月14日のリトアニアの「原発」国民投票。これも法的拘束力がありません。けれども、結果が尊重されるのはきちんとしたルールで公的にやるから。そこが大事なところですよね。
日本では、96年の8月4日に新潟県巻町で原発の住民投票が行われたんですが、それ以降住民投票は402件行われています。この住民投票はすべて法的拘束力はないんです。条例に何と書いてあるかといったら、「結果について市長や議会はこれを尊重しなければならない」とあります。「従わなければならない」とは書いてありません。けれども、新潟県の巻町だって、刈羽村だって、三重県の海山町だって、全部住民投票の結果通りになっているんです。その後、議会選挙では原発、プルサーマル反対派は負けていますが、住民投票の結果は守られています。
なるほどね。
今井:じゃあ、なぜ法的拘束力のある国民投票が日本でできないかというと、日本の憲法に、「国会は国権の最高機関で唯一の立法機関である」(41条)と書いてあるから。国民投票の結果によって、国会で決めたことをひっくり返すわけにはいかないからです。しかし、イタリアの場合、国民が納得がいかない場合は、国民が国民投票でひっくり返すことができる、法律を廃止できると憲法に記してあるんです。だから去年、イタリアでベルルスコーニ首相が、「イタリアは原発を再開する」と言って法律も整えましたが、国民が国民投票でひっくり返しましたよね。ベルルスコーニは従わざるを得なかった。本当はそういう強力な国民投票をやればいいんですが、憲法を41条を改正している時間がない。だから、まずは諮問型でやろうと。諮問型だったら政府が結果を反故にする、守らない可能性があるとよく言われるんですが、それは大丈夫です。だってね、世界中で、1150件の国民投票が行われているのに日本では、一回もしたことがない、一回も。その日本が、日本という国ができて初めて国民投票をやるとなったら、しかも「原発」についてやるとなれば世界中が注目する。世界が見ている中で政府がその結果を反故にすることなんかできないですよ。だから、それをやるための運動なんです。かつて民主党は、憲法以外でも、生命倫理の問題、臓器移植とか、脳死の問題、統治機構の問題、あるいは原発の問題、こういう問題も国民投票にかけるべきだと政権に就く直前までは言っていました。しかし、政権に就いたのにやらないから、私たちは彼らを厳しく批判しています。
その「原発」国民投票は実現可能ですか?
今井:可能です。現に、民主党の中でも先ほどお話したような声が上がっていますし、何より主権者である国民の7割以上がそれを望んでいるんだから。
それで、バラカンさん、実を言うと我々は、2000人の衆議院議員予定候補者と現職の議員全員に「原発国民投票を実施することに賛成するか、反対するか」という公開質問状を差し出しました。回答については、今月末からすべてHPに公開する予定です。そのあとは議員個人へのロビー活動を強め、なんとか国民投票法の制定に持ち込みたい。そんなわけで、この先もお力添えをよろしくお願いします。
もちろん、そうした活動に大賛成です。仮にね、国民投票をやって国民の60%が再稼働することに決めたとしても、それは悲しいけれども、仕方がない。国民がそう決めたんだったら。
今井:そこなんですよ。主権者が決めたことならばね。でも、反原発派の一部の人たちは、そうなるのが怖いから国民投票は嫌だと言っている。彼らは、なかなかバラカンさんのようにはわかってくれない。そこが我々の悩みの種なんですよ。バラカンさんは、なぜ6対4で負ける可能性があってもやるべきだとおっしゃるんですか。
なぜって当たり前のことじゃないですか。要するに、民意を諮るわけですから。民意はやってみないと、どっちに行くかわからない。日本人の多くの人たちがどう考えているかを、とにかく一度はっきりさせるべきです。それだけですよ。
今井:つまり、バラカンさんはバリバリの反原発派だけれども、それはそれで、しかし、国民投票はやるべきだと。
そう。僕の独裁で決められれば、それは嬉しいですよ(笑)。でも、残念ながらそんなに世の中は甘くないんだからね。原発の問題は今の日本が抱えている最も深刻な問題だと思うんです。財政赤字や消費税の問題など大変な問題もあるけれども、生きるか死ぬかという命の問題にもなりかねないのが原発問題ですから、とにかくこれだけは最優先にして決めなくてはならない。そして、政治家たちの力だけでは決められない。決めてはいけない。
今井:無理ですよね、責任なんて取れないもの。野田さんは取るって言って大飯原発の再稼働を宣言したけど。
そうそう。野田さんの安い政治生命をかけられてもね。
今井:本当に傲慢ですよね。この国の子どもたちの未来を自分の安い政治生命と引き換えにできると思ったら大間違いですよね。
本当にそうだと思う。だから、とにかくね、YesにしてもNoにしても、みんなで決めなきゃダメ。国民もね、自分の声をそこで出さないと無責任ですよ。それをやらなければ、「じゃ、永田町の連中に全部一任してもいいってこと!?」になるわけじゃないですか。「じゃ、あとで文句言うなよ」ということになる。
今井:そうなんですよ。我々から考えたらこれはもう常識なんですけどね。反原発派の中にもどうしても国民投票は嫌だと言う人がいるんです。東京都民投票の時にも、反原発運動を30年間やっている都議会議員が都民投票条例制定に反対票を入れたんです。
ええっ?何で?
今井:都民投票をしたら、反原発派が負ける可能性があるから嫌だって。絶対勝つという状況じゃないと嫌だって。
(絶句、ため息)
今井:もう、がっくりでしょう?
さて、今度ぜひ一緒にイベントをやりましょうよ。バラカンさんのお話をお客さんにも是非聞いてもらいたい。
ええ、いいですよ。約束しましょう。
今井:よかった。きょうは本当にありがとうございました。
1951年ロンドン生まれ。ロンドン大学日本語学科を卒業後、1974年に音楽出版社の著作権業務に就くため来日。現在フリーのブロードキャスターとして活動、「Barakan Morning」(インターFM)、「ウィークエンド・サンシャイン」(NHK-FM)、「CBS60ミニッツ」(CS ニュースバード)、「ビギン・ジャパノロジー」(NHK BS1)などを担当。著書に『200CD+2 ピーター・バラカン選 ブラック・ミュージック アフリカから世界へ』(学研)、『わが青春のサウンドトラック』(ミュージック・マガジン)、『猿はマンキ、お金はマニ 日本人のための英語発音ルール』(NHK出版)、『魂(ソウル)のゆくえ』(アルテスパブリッシング)、『ロックの英詞を読む』(集英社インターナショナル)、『ぼくが愛するロック名盤240』(講談社+α文庫)などがある。twitterのアカウントは@pbarakan。
バックナンバー
2012年9月26日 | コメント/トラックバック(1) |
当会の賛同人、マッド・アマノさんのTシャツができました
当会の賛同人、マッド・アマノさんデザインの「原発」国民投票Tシャツができました。
1枚1900円(送料込)で販売致します。
(デザインは背面のみです)
ご希望の方は、下記までお申し込みください。
入金を確認後に発送致します。
【Tシャツ申込み】
・サイズ(S/M)
・枚数
・お名前(振込名義人が違う場合はそちらも)
・お電話番号
・送付先住所
・ご入金いただいた金融機関(入金確認後の発送となります)
・原発についてのコメント
をお書きの上、メールかファクスにてお申し込みください。
e-mai:kokumintohyoevent@gmail.com
FAX 03-6434-9378
(みんなで決めよう「原発」国民投票事務局)
【振込先】
◆三菱東京UFJ銀行 新宿支店
普通口座 0141091
口座名義:
みんなで決めよう「原発」国民投票
代表 中村映子
◆三井住友銀行 新宿通支店
普通 9601530
口座名義:
みんなで決めよう「原発」国民投票
代表 中村映子
◆みずほ銀行 新宿中央支店
普通 2942855
口座名義:
みんなで決めよう 原発・国民投票
◆ゆうちょ銀行
店名ゼロイチハチ 店番018
普通預金
口座番号 1965734
(記号10180 番号19657341)
口座名 ナカムラエイコ
◆城南信用金庫 稲城支店
普通預金 335551
口座名 マキカズコ
2012年9月25日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:ニュース 事務局からのお知らせ
賛同人、署名者のみなさんへのご案内(2012-9B)
市民グループ【みんなで決めよう「原発」国民投票】
賛同人、署名者のみなさんへ
事務局長の今井一から4件のお知らせです。
[1]衆参の国会議員と立候補予定者に公開質問状を送付
「原発」国民投票の実施に賛成するか否かという質問を柱とした公開質問状を、9月10日に議員会館へ赴き、現職の衆院議員、参院議員全員に届けました。次回衆院選の立候補予定者(現状で把握している261人分)には9月18日前後に郵送で届ける予定です。
現職議員の回答期限は9月28日で、順次ホームページに掲載していきます。すでに5人の議員から回答がきています。
⇒差し出した公開質問状はコチラ
[2]《「原発」国民投票・秋祭り》 開催迫る。集客のためのPRに協力してください。
9月29日(土)に、谷川俊太郎さん、湯川れい子さん、マッド・アマノさん、木内みどりさんらが織りなす《「原発」国民投票・秋祭り》を、東京水道橋のYMCAアジア青少年センターで開催します。
あと2週間だというのに、現在の参加申込者はわずか17人。PR不足です。首都圏にお住まいの皆さんはもちろん、離れたところにおられる賛同人の方も、ぜひ、このお祭りに足を運んでください。そして、お友達を誘ってください!ぜひ、よろしくお願いします。
⇒詳細
[3]9.29~30の「合宿」への参加を募ります。
上記9.29の「秋祭り」が終わった後から翌日の夕刻まで、全国の調整委員を中心とした合宿をやり、いろんな意見交換を行います。賛同人の方で、これに参加したいという方がおられたら、30日の午前10時に東京水道橋のYMCAアジア青少年センターへお越しください。遠方の方で、前夜から泊まって参加したいという方は、22日までに申し出てください。
会場の宿泊施設をおさえています。無料です。(但し、申込先着3人まで)
[4]ピーター・バラカンさんが登場
読み物編集部の企画、賛同人のリレートーク。いよいよロングインタヴュー形式でピーター・バラカンさんが登場、原発や国民投票について大いに語っています。前後編2週に分けて掲載します。ぜひご一読ください。
⇒リレーメッセージ「第4回 ピーター・バラカン(ブロードキャスター)前編」
2012年9月16日 | コメント/トラックバック(1) |
カテゴリー:ニュース 事務局からのお知らせ
リレーメッセージ「第4回 ピーター・バラカン(ブロードキャスター)前編」
記事中、ピーター・バラカンさんは「バラカン」、今井一は「今井」と表記しています。
事実を隠して言わなかったことを棚に上げて、白々しいといったらない。
あの白々しさ、僕は許せない。
今井:バラカンさんはロンドン大学の日本語学科をご卒業でしたよね。
私は80年代にワルシャワ大学日本語学科の学生や先生方と、かなり交流があったんですが、ロンドン大学日本語学科はどんな感じのところなんですか。歴史は古いんですか。
歴史は古いかな。始まったのは確か第二次世界大戦中。スパイ活動つまり諜報活動の一環で始まったんだと思う。
今井:あの大戦中、日本は敵国だったから。
イギリス側の誰かがきちんと言葉を習得しないことには、軍国主義だった日本が何を話しているのか、どんな企みを持っているのかがわからないということだったんじゃないかな。
今井:それで、バラカンさん自身が数ある学科の中から日本語学科を選ばれたのは、なぜなんですか。
理由はない。ものすごくいいかげんです(笑)。
今井:でも、とりあえず経済学部にというのはあっても、とりあえず日本語学科にというのは普通ないですよ。
語学好きっていうことがあったね。語学が好きだったら意外と行っちゃう。特に日本に興味があったというわけじゃないし。日本社会がどうなっているのかも知らなかった。例えば日本語を表わすのに漢字があって平仮名があってカタ仮名があってなんて当たり前のことも、何にも知らなかった、語感がどういう語感なのかとかもわからない、ものすごく甘い考えでしたね。
今井:じゃあ、ご苦労されたでしょう。
それなりにね。
今井:卒業されてから日本に来たわけですよね。
日本へ来たくて来たわけじゃなくて、音楽関係の仕事がしたくてロンドンのレコード店で働いていたら、日本の会社が求人していて、その広告を見て応募したの。
今井:そうだったんですか。それで日本へ来られたのはいつなんですか。
昭和で言うと49年。
今井:ということは1974年。
最初のオイルショックの翌年ですね。経済成長の真っただ中だったんだけど、大学に入る前まで、日本については、本当にGEISHA・FUJIYAMAといったステレオティピカルなイメージしかなかったね。
今井:それが今や日本人以上に日本社会を鋭く捉えているわけですが、広い意味ではバラカンさんの仕事もジャーナリズムの枠の中に入ってますよね。
いや、僕はジャーナリストでも何でもなく、あくまで一つの報道番組を司会者の立場でずっと担当しているから、欧米の社会事情について、それなりに詳しくなったという程度で。それ以外に、日本の国内政治などについて何を知っているかと言ったら、ほとんどわかってないですよ。
今井:とはいえ、3・11以降の日本のジャーナリズム、マスメディアについては、おかしいぞと思われたことがあるのでは。
おかしいということには、とっくに気が付いてました。テレビのニュースを見ていてね、どこの国でも国内ニュースがメインになるのは仕方がないんですよね。でも、日本はあまりにも、世界で大変なことが起きているのにもかかわらず、それを全く報道せずに、国内のスポーツの話題とか、お天気のこととかね。
この国には毎年台風が来るのはわかってるんだから、いちいちそれをトップニュースに持ってこなくてもいいでしょ。スポーツの国際大会で日本人がメダルを取ったからといって、それがその日のトップニュースでなくてもいい。そういう意味では、この国のジャーナリズムはどっか故障してるということに、とっくの昔に気付いてました。要するに、価値判断というか、優先順位というものがどっか狂ってるよね。
日本の方と話していると、まずね、世の中で起きていることに興味を持たない人が多すぎる。それと、世界で何が起きているかを知らなさすぎる。詳しいことは勿論知らなくても当たり前だけど、戦争や紛争になっているっていう国がどの辺りにあるかも知らない。例えば、山本美香さんが撃たれたあのシリアに隣接する国を二つ挙げてみなさいと言っても答えられないとかね。
今井:バラカンさん、隣接する国どころか、シリアが地球のどこにあるかを知っている日本人はほとんどいませんよ。
かもしれないね。
今井:その日本のジャーナリズムに対する不信感というか嫌悪感というものが加速度的に増幅したのは、やはり3・11以降ですか。
そうです。もちろん、福島の事故以降、当時官房長官だった枝野さんが記者会見の時に見せたあの顔。あの顔の表情が全てを物語っていたんですよ。あの人ね、たぶん悪い人じゃないと思うんだけどね、立場上本当のことを言わせてもらえないというところもあるでしょう。とにかくね、顔見て、「あっ、この人は嘘をついている」と思った。誰でもね、本能的にわかると思う。
今井:「ただちに人体、健康に害が無い」ってあのセリフですか?
あの言葉一生聞きたくない。今は「ただちに」って言葉を聞いただけでもぞっとするんですよ。
あの時から、これは絶対嘘だと思ってた。でも、インターネットがあるからね。海外のメディアを見てると、みんな、事故の二日目くらいから「メルトダウンしているに違いない」ということも言ってたのに、日本のメディアはずっと後になって「事故の翌日にメルトダウンしていた」なんて言ってる。自分たちが二カ月も三カ月も、事実を隠して言わなかったことを棚に上げて、白々しいといったらない。あの白々しさ、僕は許せない。どこのテレビ局も、テレビを見ている人たちの記憶力がそんなにも悪いと思っているのか、馬鹿にしているよ。
今井:それは本当にそうですよね。今回も呆れました。首都圏反原発連合のみんなが官邸の中に入って野田首相と会ってきましたが、ずっと支援していたIWJとかはその取材が許されなくて、大手メディアしか中に入れさせない。
岩上さん入ってなかったでしょ。
今井:田中龍作さんが会談後に開かれた首都圏反原発連合の記者会見で質問したんです。「我々が官邸に入れなかったのは、あなた達が断ったのか、政府が断ったのか、いったい誰が断ったのか」と。そうしたら、ミサオさんが「私は、政府サイドが記者クラブに遠慮して入れなかったと聞いている」と言ってました。
遠慮した?
今井:記者クラブがフリーランスやIWJの官邸内立ち入り取材を断る形にしないで、政府が一応断ったんだけれども、それは記者クラブの気持ちを斟酌したと。馬鹿げてますよね。
んんー。この国は本当に絶望的だね。実は今日のラジオの番組で読ませてもらえるんだったら読みたいと思ってるんだけど、朝日新聞の小田嶋隆さんの記事。先日の朝日に載っていたインタビュー記事で、「小さい政党に票を入れるということは、ある意味票を捨てることになるんだけれど、でもね、圧倒的多数の人が小さい政党に投票すれば、それは強いメッセージになる」という内容。もうね、今の民主党ダメだわ。かといって、自民党はもっとダメ。
ま、僕は参政権持っていないから悩まずに済むけどね(笑)。この国は本当にそろそろ革命でも起こさない限りダメだと思う。
今井:本当にそう。ちょっと上っ面だけいじくるようなことをしてもだめ。根こそぎ改める革命的なことをやらないと。89年の東欧みたいに。当時、絶対に変わらないと見られていた東ドイツが変わった。日本の官邸前デモは金曜日だけど、東独のライプツィヒでは、あの恐怖体制下で毎週月曜日に数万人規模のデモが起こってそれがベルリンに波及していき、やがてチェコのプラハにも。ついにはバーツラフ広場に連日30万人が集まり、共産党政権を打ち倒すビロード革命が実現しました。それが、バルト三国のソ連からの独立やソ連崩壊へとつながっていく、いわゆる東欧連鎖革命ですよね。私はずっと、それを現場で見聞きしました。
あの頃は、ほんと、わくわくする時代だったよね。
ピーター・バラカン プロフィール
1951年ロンドン生まれ。ロンドン大学日本語学科を卒業後、1974年に音楽出版社の著作権業務に就くため来日。現在フリーのブロードキャスターとして活動、「Barakan Morning」(インターFM)、「ウィークエンド・サンシャイン」(NHK-FM)、「CBS60ミニッツ」(CS ニュースバード)、「ビギン・ジャパノロジー」(NHK BS1)などを担当。著書に『200CD+2 ピーター・バラカン選 ブラック・ミュージック アフリカから世界へ』(学研)、『わが青春のサウンドトラック』(ミュージック・マガジン)、『猿はマンキ、お金はマニ 日本人のための英語発音ルール』(NHK出版)、『魂(ソウル)のゆくえ』(アルテスパブリッシング)、『ロックの英詞を読む』(集英社インターナショナル)、『ぼくが愛するロック名盤240』(講談社+α文庫)などがある。twitterのアカウントは@pbarakan。
バックナンバー
2012年9月16日 | コメント/トラックバック(1) |
衆参の国会議員と立候補予定者に公開質問状を送付しました
「原発」国民投票の実施に賛成するか否かという質問を柱とした公開質問状を、9月10日に議員会館へ赴き、現職の衆院議員、参院議員全員に届けました。次回衆院選の立候補予定者(現状で把握している261人分)には9月18日前後に郵送で届ける予定です。
現職議員の回答期限は9月28日で、順次ホームページに掲載していきます。すでに5人の議員から回答がきています。
⇒差し出した公開質問状(pdf 3.4MB) と第4次市民案
2012年9月16日 | コメント/トラックバック(4) |
カテゴリー:ニュース