川内原発の「審査合格」を受けて(声明)

原子力規制委員は7月16日、九州電力・川内原発の
1、2号機について、事実上の審査合格を示すことになる、
審査結果案を了承しました。

しかし、規制委員会が判断できるのは、原発の安全性に
ついての技術的なポイントを満たしているかどうかだけです。

田中委員長も繰り返し述べているように、規制委員会には、
再稼働の是非を決定する権限はありませんし、
また特定の原発を「安全」だと判断することもありません。

***
私たちは、何度でも繰り返し主張します。

福島第一原発のメルトダウンという
未曾有の大事故を経験した日本人には、
未来を自らの手で切り開いていく権利があるし、
また責任があります。

そして、その権利と責任を実現するための手段が、
「原発」国民投票の実施です。

誰かに任せるのではなく、私たち一人一人が、
原発稼働についての一票を手にして、
その是非をよく考え、投票をするのです。

***
原発稼働のメリットは何なのか、デメリットは何なのか、
はたして私たち国民は、議論を尽くしたでしょうか?

当会では、今年のアースディ東京にブースを出し、
エネルギー基本計画の是非を問うシール投票を行いました。

その際、原発賛成・反対の両方の立場の意見を一枚の紙に
まとめて、投票をする人たちに配布しました。

その紙を真剣に読んでから、私たちスタッフと意見を交わし、
賛成・反対のシールをボードに貼る参加者たち。

私たちが望むことは、単純なことです。
この光景を全国レベルで目にしたい、日本国民全員で行いたい、
ただそれだけのことです。

そしてその先に、原発稼働の是非を決める決定が
見えてきます。

***
規制委員会の審査結果案は、一つのインプットとして活用しましょう。
しかし、再稼働の是非を決めるのは、規制委員会ではありません。

またそれは、規制委員会を隠れ蓑のようにして、財界の後押しを
エンジンにして、物事を決めようという政府や政治家でもありません。

「原発」国民投票を、実現させましょう。
そして、この国の未来を、この手で掴みましょう。

賛同人・署名者のみなさんへのご案内(2014-7A)

原子力規制委員は7月16日の会合で、九州電力・川内原発の
事実上の審査合格を示すことになる、「意見書」の案を
取りまとめる見通しです。

しかし、規制委員会が判断できるのは、原発の安全についての
技術的なポイントだけです。規制委員会には、田中委員長も
繰り返し述べているように、再稼働の是非を決定する権限は
ありません。

前回もご案内したように、当会では、7/19に原子力政策の
策定について考えるシンポジウムを開催します。
まだ残席がありますので、みなさま、ぜひお申込みください。

みんなで決めよう「原発」国民投票の事務局から、
以下2点お知らせです。

■Topics
□  7/19「原発」国民投票主催シンポジウムのお知らせ(東京)
□  「原発埼玉県民投票」の受任者説明会の予定

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◆当会主催 シンポジウム(東京)のお知らせ
7/19 「原子力政策をどう決めるか 福島原発事故をきっかけに」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
原子力政策の決定に、市民はどう関われるのか?
その関わり方はどうあるべきなのか?

それは、社会が科学技術をどう制御できるのか、
という問題と言えます。

圧倒的な情報と専門性を持つ「官・産・学共同体」を市民社会が
制御して、適切な判断を下していくことはできるのか。

政府事故調の一員として原発事故に正面から向き合った吉岡斉氏と、
新進気鋭の科学技術社会学研究者である寿楽浩太氏を講師に迎え、
当会の共同代表である宮台真司・杉田敦との対話を含めて、
「社会の中の科学・技術」のあるべき関係について考えを深めます。

詳細はこちらをご覧ください。
⇒ http://gkokumintohyo.com/archives/8570

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◆ 「原発埼玉県民投票」の受任者説明会の予定
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
原発埼玉県民投票準備会が、受任者(署名を集める人)説明会を
県内各地で開催しています。

詳細は、こちらをご覧ください。
⇒ http://saitamakenmintohyo.web.fc2.com

賛同人・署名者のみなさんへのご案内(2014-6A)

みんなで決めよう「原発」国民投票の事務局から、以下9点お知らせです。

■Topics
□  7/19「原発」国民投票主催シンポジウムのお知らせ(東京)
□  原発埼玉県民投票」準備会立ち上げ集会が開催されました
□  ドイツの町・シェーナウのレポート 第2回をHPに掲載しました
□  住民投票・国民投票ニュース
   (1)奈良県・生駒市が住民投票条例を制定
   (2)大阪・能勢町:学校統合を巡り住民投票の直接請求が開始
   (3)香港で行政長官の直接選挙問う市民による自主住民投票が開始
□ 【活動報告(千葉)】市民のためのエネルギー講座 
□ 【活動報告(広島)】署名1000筆
□ 【活動報告(関西】5月25日・6月12日催し参加
□ 【活動報告(宮城)】5月25日・6月8日ブース出展
□  今後の予定(千葉、宮城)

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◆当会主催 シンポジウム(東京)のお知らせ
7/19 「原子力政策をどう決めるか 福島原発事故をきっかけに」
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7月に、都内で、みんなで決めよう「原発」国民投票主催のイベントを行います。
お誘い合わせの上是非ご参加ください。
情報の拡散もどうぞよろしくお願いします。

シンポジウム「原子力政策をどう決めるか 福島原発事故をきっかけに」

●プログラムと講師・パネラー(敬称略)
・基調講演「原子力政策の策定方式とその改革構想」  
吉岡斉
(九州大学教授、東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会元委員)
・コメント:
寿楽浩太(東京電機大学助教、日本学術会議学術調査員)
・パネル・ディスカッション:
吉岡斉・
寿楽浩太・
宮台真司(社会学者、当会共同代表)          
杉田敦(兼司会、政治学者、当会共同代表)

●日時:7月19日(土) 開場13:30  開演14:00  終了予定 16:30
●会場:安田コミュニティプラザ 竹橋・大手町会議室(定員96名)
●参加費:事前申込み1,000円、当日1,200円

※申込方法等詳細は、HPをご覧ください。 
当日のボランティアも募集しています。
ご協力いただける方は申込みのメールでお知らせ下さい。

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◆ 「原発埼玉県民投票」準備会立ち上げ集会が開催されました
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5月29日(木)に浦和コミュニティーセンターで原発埼玉県民投票
準備会立ち上げ集会が行われました。都民投票の請求代表者の一人であり、
当会の東京運営委員を務める柳浦彰さんが基調講演を行っています。

埼玉県民投票の最新の動向については、こちらをご覧ください。

公式ホームページ 
公式ツイッターページ 
公式フェイスブックページ 

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◆ ドイツの町・シェーナウのレポート 第2回をHPに掲載しました
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都民投票のスタッフだった大芝健太郎氏が、映画「シェーナウの想い」
の舞台となったドイツのシェーナウ市を訪れ、関係者にインタビューを
行いました。3回にわたるレポートの、第2回目をHPに掲載しました。
ぜひご一読ください。

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◆ 住民投票・国民投票ニュース
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(1)奈良県の生駒市で住民投票条例が制定されました。
 制定された条例には、以下のような特徴があります。

・投票資格の年齢は18歳以上。5年以上在住の外国人も資格あり。
・常設・実施必至型で、資格者の1/6の署名があれば、
 議会の議決を経ずに実施される

3.11後の原発住民投票は、ことごとく議会の壁を超えられませんでした
が、今回の条例は「実施必至型」のため、署名され集まれば必ず実施さ
れます。他の自治体にも同様の制度が広がることが望まれます。

生駒市が住民投票条例を制定
(NHK 6/24)

(2)大阪・能勢町で住民投票条例を求める直接請求運動が開始。

”住民団体「能勢を財政破綻から守る会」は20日、住民投票条例制定
を求めて署名活動を始めた。請求には有権者数の50分の1以上の署名
が必要。2日時点の有権者数は9838人で、約200人分が集まれば
請求できる。”

大阪・能勢町:学校統合「住民投票で」 反対派が署名活動
(毎日新聞 6/23)

(3) 香港で市民による自主住民投票が行われており、動向が注目されます。

香港で行政長官の直接選挙問う住民投票、約60万人が参加
(ロイター 6/23)

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◆ 【活動報告(千葉)】市民のためのエネルギー講座 第3回開催
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5月から「市民の、市民による、市民のためのエネルギー講座」と題し、
9月までの約半年間、月2回(合計10回)の連続講座を開催中です。

6月14日は、第3回「原発の是非 ~その根拠は?!」を開催し、
無事終了致しました。
詳しくは、HPをご覧下さい。

また実行委員会では、本企画運営のご支援(カンパ)を募集しております。
詳しくは、こちらのHPをご覧の上、ご検討の程、よろしくお願いいたします。

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◆ 【活動報告(関西)】5/25 ブース出展、6/12 勉強会で話題提供
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・5月25日、『生物多様性フェス コップププー』に「原発」国民投票
のブースを出展

・6月12日、「緑の党ひょうご」のオープン学習会「『原発』国民投票
のこれまでとこれから」にて、関西の地域運営委員・森恭子さんが
話題提供を行いました。          

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◆ 【活動報告(広島)】署名1000筆
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広島県の運営委員衣山さんより、1000筆の署名が届きました。
ご署名頂きました皆様、衣山さん、本当にありがとうございます。

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◆ 【活動報告(宮城)】5/25、6/8 ブース出展
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・5月25日、「安倍政権に私も言いたい!」宮城県民大集会に参加。
エネルギー基本計画についてのシール投票を行い、
賛成1名 わからない1名 反対81名という結果となりました。
署名も120筆以上頂き、活発な意見交換ができました。

・6月8日、「さようなら原発inいしのまき」の会場で署名活動を
行わせていただきました。ありがとうございました。

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◆ 今後の活動予定
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☆千葉県 6月28日(土)14:00~16:30
第4回「市民の、市民による、市民のためのエネルギー講座」
・講義名:自然エネルギーの実力は?!
・講師:牛山 泉
  足利工業大学学長・理事長/日本風力エネルギー協会(現学会)会長
・場所:千葉大学工学部17号棟113講義室(17号棟1階)

*詳しくは、HPをご覧下さい。

☆宮城県 7月7日(月) 
「平日フェス!」 
にて、パンフレットを配布(10:30~14:30)

・・・・・・

会員・賛同人からのメッセージ集(5月分)

(会としては 原発「反対」または「賛成」を打ち出してはいません。

賛同人個々人が、それぞれの思いを抱いて運動に参加しています)

新しく会員登録・賛同人登録された方々から メッセージをいただいています。

一部ご紹介させていただきます。

ひとつひとつ、すべてが個人の方々のご意見です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

福島原発事故は人災であり、私達大人一人一人の責任です。 私達大人の無関心・無責任が原発を生み出してしまいました。 原発に賛成・反対の情報を平等に提示し、私達大人一人一人が原発に関心を持ち考え責任を持って選択する機会を願います。 私達大人が自ら考え行動しなければ、子ども達の未来を守る事は出来ないです。

(静岡県・Oさん)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

安全、安心、戦争の無い未来に向けささやかに努力したいと思います。

(東京都・Sさん)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

とにかく何か一歩を踏み出したいのです。

(兵庫県・Mさん)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

孫には原発の脅威のない世界に生きてもらいたい。

(神奈川県・mさん)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ひとつひとつ、すべてが個人の方々のご意見です。

賛同人のみなさま、メッセージをありがとうございます!

■会員募集のお知らせ

会員募集のご案内

■賛同人申し込みフォームはこちらです

申し込みフォーム

「原発」埼玉県民投票の準備会が結成されました

埼玉県で、原発の是非を問う住民投票条例の直接請求に向けた動きが活発化しています。この動きには、埼玉県の運営委員を務める星丘氏をはじめ、当会の会員・賛同人も中心メンバーとして関わっています。

準備会の結成集会

5月29日(木)には、浦和コミュニティーセンターで、<「原発埼玉県民投票」準備会立ち上げ集会>が開催され、「原発埼玉県民投票」準備会が結成されました。

この集会では、これから直接請求する条例案の内容を詰めていくことや、受任者(署名を集める人)説明会が行われることなどが発表されました。

基調講演を務めたのは、「原発」都民投票の請求代表者の1人だった柳浦彰氏。都民投票の運動には、それまで市民運動や政治に関わったことの無いような人たちも多数参加し、多様性のある運動になったこと。また、街頭やスーパー前での活動が効果的だったことなどが紹介されました。

質疑応答では、埼玉県議会の議会構成についてや、住民投票の対象とする原発の範囲についてなど、活発な意見交換が行われました。

当日の動画は、Youtubeで公開されています。

「原発」埼玉県民投票準備会立ち上げ集会 その1 主催者説明
「原発」埼玉県民投票準備会立ち上げ集会 その2 柳浦彰氏講演
「原発」埼玉県民投票準備会立ち上げ集会 その3 柳浦彰氏への質疑応答
「原発」埼玉県民投票準備会立ち上げ集会 その4 都民投票受任者説明会の資料上映
「原発」埼玉県民投票準備会立ち上げ集会 その5 意見交換

facebookとTwitterの開設

集会の数日後には、準備会のfacebookページとtwitterアカウントが作成されています。随時、今後の動きが紹介されていく予定です。

https://www.facebook.com/saitamakenmintohyo

https://twitter.com/kenmintohyo_sai

受任者説明会の開催

既に受任者説明会が、以下の通り予定されています。詳細は上記のfacebookページとtwitterアカウントをご確認ください。

・2014年6月6日(金) 19:00~ 常磐公民館2階
・2014年6月20日(金) 19:00~ 常磐公民館2階
JR北浦和駅西口より3分(埼大通り右側)

 

<追伸>

コメントで 受任者登録はネットでできませんか?とご質問をいただきました。

こちらから、登録フォームがあります。よろしくお願い、申し上げます

http://saitamakenmintohyo.web.fc2.com/pg105.html

2014年6月3日 | コメント/トラックバック(1) |

カテゴリー:ニュース

リレーメッセージ「第18回 山田 真(小児科医)」

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山田 真(やまだ・まこと)
1941年岐阜県生まれ。小児科医。東京大学医学部卒業。1970年より八王子中央診療所(東京都八王子市)勤務、現在同診療所理事長。『はじめてであう小児科の本』、新刊『小児科医が診た放射能と子どもたち』など、著書多数。雑誌『ちいさい・おおきい・よわい・つよい』編集代表。東日本大震災以降、福島市内で健康相談会や勉強会を開催している。「原発」国民投票賛同人。「原発」都民投票の直接請求では、請求代表者をつとめた。

選挙も直接投票も、前哨戦が大事

 「原発」都民投票の直接請求のときに、生活クラブとのつながりで依頼され、請求代表者になりました。文化人や著名人だけでなく、マイノリティといわれる人が応援団として加わってくれることが大事だと考えていて、そういう人達とつながりのあるぼくが代表者の一人として名前を連ねることは、プラスではないかと思ったのです。
 でも、投票が実現したらかなりしんどいな、という感じだった。原発推進の票が圧倒的に多かったりすると、反対派には壊滅的な打撃だと思うんですね。そう思いながらも請求代表者を引き受けたのは、投票をすること自体は正しいと思うから、なのですが……。
 つまり、世論調査で原発反対が多くても、投票ということになると保守層が精力的に動いて、ひっくり返ってしまわないかと思うのです。長年、地元候補者の選挙応援に関わって、自治会にまで浸透している保守層の地盤の強さを実感してきたからね。診療所でも、ある宗教関係の政党の党員である患者さんは、選挙前に診察に来れば「先生、○○さんに投票して下さい」と言う。びっくりするけれど、本来はそれくらいの熱意や働きが正しいんだろうな、と思う。住民投票や国民投票も、投票が実現する前にいかにそういった地盤を築けるか。実際に「原発」住民投票をやった巻町(旧新潟県西蒲原郡巻町・現新潟市)のような事例を分析すれば、どうしたらいいかが見えてくるのかもしれないね。とてもシビアな状況でやったのだから。
 都民投票の署名活動を街頭に立ってしてみて、すごく意外だったことがある。若いお母さんたちは子どもの生命(いのち・ルビ)を第一に考えるのがふつうだから、投票を支持してくれるだろうと思っていた。だけど、実際に署名をしてくれる女性の多くは高齢者で、子連れの若いお母さんは見向きもしないという感じだった。むしろ高校生くらいで街頭演説を聞いてくれる子たちがけっこういたから、あの世代をつかまなくてはいけないと思った。やっぱり、原発安全教育で洗脳される前の子どもたちに原発のことを考えてもらわなくちゃいけない。
 でも、原発について子どもたちに伝える機会がない。学校の先生たちの多くは、放射能や原発を教える力がない。知識がないし、忙しいから勉強もしない。文科省が原発推進の副読本を出してくるのに、反対派にはそれに対抗するものを用意する力がない。だから、教育現場では副読本を「使わない」というのが、消極的だけど最大の抵抗になっています。昔は「自主編成」といって、国が作っている教科書に対抗して教員が自主教材を作り、授業をしたものですが、今はそういうことをする教員もほとんどいなくなってしまいました。

認めたくないことは見ない、という悪知恵

 ヨーロッパには、パルチザンの伝統を持つ国が多く、国に抵抗する市民組織が強い。日本は、何かあるたびに神風が吹いて(笑)、運よく最悪の事態に至らずすり抜けてきた。自分たちを守るために市民が力を尽くして争うという伝統がない。僕は敗戦のとき子どもだったけれど、おふくろに「山へ逃げないと殺される」と言われて、日本全土が沖縄のように蹂躙されると思っていた。負けるというのはそういうことだと覚悟していたが、「鬼畜米英」が一夜にして「チョコレートをくれる優しいおじさん」になっちゃった。だから、今も日本人は最悪の事態を考えない。
 僕は今、東北で地震が起きると「(福島第一原発のある)浜通りじゃないか」と確認せずにはいられないけれど、そういう人がどれだけいるだろう。2011年の3月14、15日頃が、本当に日本が壊滅するかもしれない大ピンチだったという認識が、多くの人にはないんだろうね。巧妙に隠されてしまったから。
 例えば伊方原発は南海トラフの真上にあって、大地震が起きて事故になれば瀬戸内海が全滅する。それが日本にとってはかりしれない災厄になるだろうと考えると、原発事故は絶対に起こしてはいけないんだ。だけど、「そうそう悪いことは二度も三度も起こらないよ」とか、「起こっても何とかなるもんだ」となってしまう。結局、沖縄に米軍基地を押し付け、今、福島に原発事故の被害を押し付けているように、ひどいことをされた人たちのことは見ないようにして生きていくのが生き残る道だと、日本人の多くが学んでしまったのではないだろうか。
 私たちは大学闘争の中心的な世代だけれど、フランスで学生闘争から近代の問い直しが行われたような文化的な成果が、日本にはなかった。科学についても、それが本当に役に立つものなのか、危険なものなのかといった問い直しをしなかった。福島第一原発の事故当時、一番信頼していた小児科医の後輩を「一緒に福島で健康相談会をやらないか」と誘ったら、「そんなことより禁煙運動をやった方がいい」と言われ、すごくショックを受けた。もう、どこから話をしたらいいかわからない、という感じでした。彼らは学生運動の経験からなにを学んだのでしょう。

ぼくにできるのは、福島で聞いたことを伝えること

 いろんな地方に行き、福島から避難している人とたくさん会ってきたけど、いつも最初に訊ねられるのは「故郷はもう帰れる状態になっただろうか」ということ。大半の人が帰りたいと思っていると感じます。先祖代々の土地に根付いて生きてきた人は簡単に引っ越せないし、特に田舎だと子は親から離れられないから、お年寄りが福島に残ると言えば家族も一緒に残る、というケースが多い。
 福島では、言いたいことがいっぱいあっても、まわりの人には言えない、という状態になっている。ぼくが福島市内で開いている健康相談会に来て、不安や愚痴を吐き出したら、その場ではすっきりするようですが、それで終わりになってしまったらすごくまずい。そういうエネルギーを、何かかたちにすることに向けなければいけないのに、と思うのです。しかし彼らに「国や県に要求することはないですか」と訊ねても「何もありません」という。本当は要求したいことが山ほどあるんだけど、それを言ってもどうせ実現できないだろう、と諦めているんでしょうね。
 福島から遠くへ自主避難している人達にいろいろ話を聞いていると、福島に居残っているお父さんが、すごくたいへんだということがわかってきた。家族の意見が一致せず母子だけが避難すると、「親父の甲斐性がないから妻子が逃げた」と言われてしまう。「避難行為は風評被害を大きくしているだけだ」などとまわりから責められる。だから遠慮しながら生きていかなくてはならない。お父さんは妻子が心配で会いに行きたいが、交通費の捻出もままならず、年に1度しか会えなかったり、妻がもう帰らないと覚悟を決めると、離婚になってしまったり。「このお父さん、放っておいたら自殺してしまうのではないか」というくらいの追いつめられ方をしています。ぼくにできるのは、福島で聞いたことを、他の地域の人達に伝えることだと思っています。

子どものため、未来のための活動を続けよう

 原発に反対する市民運動は、福島の事故の前から、細々とでも続けている人たちがいたから、今なんとかなっているという部分があります。だから地道に、とにかく続けていくということが絶対に必要なんだよね。被爆の問題にしても、日本には低線量被爆の専門家がいなかったのですが、広島の原爆訴訟に関わった研究者など、これまでもある程度研究をしている人たちはいて、その人たちの研究内容が、今とても役に立っているのです。
 これから子どもたちが生きていく上で、放射能の被害がどういう風に出てくるかわからない。だから、起こる前に、それに対応するための準備をしておかないといけない。子どもを放射能から守る活動をしているお母さんたちをはじめ、さまざまな活動をしているみなさん、しんどいけど、がんばっていきましょう。

 

バックナンバー

賛同人・署名者のみなさんへのご案内(2014-5B)

みんなで決めよう「原発」国民投票の事務局から、以下6点お知らせを致します。

■Topics
□【注目の動き(埼玉)】「原発埼玉県民投票」準備会立ち上げ集会
□【活動報告(東京)】「「原発」国民投票のココロ in 東京」実施
□【活動報告(千葉)】 市民のためのエネルギー講座 第1回開催
□【活動報告(関西)】「シェーナウの想い」「「原発」都民投票」上映会
□ 今後の活動予定(千葉・宮城・関西・神奈川)
□【報道紹介】「国民投票法」について

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【注目の動き(埼玉)】
◆ 「原発埼玉県民投票」準備会立ち上げ集会
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埼玉県で「原発県民投票」の直接請求実施について
話し合いが行われていましたが、
このたび正式に準備会を立ち上げる運びとなりました。

当会の星丘匡史(埼玉・地域運営委員)からの集会の案内を紹介します。

「埼玉県におきまして、
いよいよ”『原発埼玉県民投票』準備会立ち上げ集会”が決まりました。
埼玉県の皆さま、近隣都県の皆さま、ご参加お待ちしています。
その他の地域の皆さま、ご声援よろしくお願いします。」
星丘匡史(埼玉・地域運営委員)

☆5月29日(木)埼玉
「原発埼玉県民投票」準備会立ち上げ集会
日時:5月29日(木)19時~
場所:浦和コミュニティーセンター第15集会室
   (浦和駅東口前浦和パルコ9階)
基調講演:「都民投票で得たもの」
講師:山木きょう子氏(元世田谷区議会議員、都民投票の会共同代表)
資料映像:「原発都民投票~これまでとこれから~」(DVD)
意見交換:県民投票に向けて

主催:「原発埼玉県民投票」準備会立ち上げ集会実行委員会

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◆ 【活動報告(東京)】
「「原発」国民投票のココロ in 東京」実施
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5月11日午後、当会事務所で、
説明会&座談会「<原発>国民投票のココロ」を開催しました。

Earthday Tokyo2日目にお会いした方3名、
Webで当会を知ってくださった方1名と、
運営委員長はじめ賛同人5名が参加。
議員ではなく課題を選ぶ、という手法について知りたい、学びたい、
という初参加の方々の真剣な姿勢に元気づけられて始まった説明会。
予定時間を超えて議論が広がりました。
http://kanagawa.gkokumintohyo.com/?p=3963

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◆ 【活動報告(千葉)】
市民の、市民による、市民のためのエネルギー講座 第1回開催
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千葉大学けやき会館での4団体によるエネルギー講座キックオフ大会
「北澤宏一先生の講演」記事が東京新聞千葉版に掲載されました。
北澤さんは福島原発事故独立検証委員会(民間事故調)の
委員長を務められました。
脱原発を進める場合にエネルギー資源の輸入増で国富が失われるといった
経済優先の考え方に対しては、
「人は何のために生きるのか」という根源的な問いの大切さも訴えられました。

講座は全10回。次回は5月24日です。
http://on.fb.me/1lpiu5H

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◆ 【活動報告(関西)】
「シェーナウの想い」「「原発」都民投票」上映会実施
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5月11日、奈良・王寺にて、
映画『シェーナウの想い』と『「原発」都民投票?これまでとこれから?』
の自主上映会を行いました。

上映会に先立ち、1時間のアピール活動を実施。
チラシ約150部を受け取ってもらえました。
そしてその場より2名の方に上映会に参加していただきました。
http://gkokumintohyo.com/osaka/archives/1342

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◆ 今後の活動予定
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☆5月24日(土)千葉
「市民の、市民による、市民のためのエネルギー講座」 
第2回
「エネルギーを選びなおす!
~利用効率から考えるエネルギー問題の過去・現在・未来~」
http://echoice.jimdo.com/

日時:5月24日(土)14時~16時30分(開場13時30分)
場所:千葉大学工学部17号棟113講義室(17号棟1階)
講師:小澤 祥司(環境ジャーナリスト/環境教育コーディネーター)
参加費用:資料代:500円
参加申込:要事前申込 chiba.echoice@gmail.com
主催:千葉大学 都市環境システム学科 佐藤研究室
   「市民の、市民による、市民のためのエネルギー講座」実行委員会
協力:エネルギー政策を考える千葉市民の会、洸楓座、再生可能な未来、
   みんなで決めよう「原発」国民投票・千葉

☆5月25日(日)宮城
『安部政権に私も言いたい!』
「原発」国民投票 東北チームによるブース出展

日時:5月25日(日)13時~15時
場所:錦町公園
https://www.facebook.com/miyagidaisyukai

シール投票・署名・国民投票/住民投票についての紹介などを行います。
どうぞご参加ください!

☆5月25日(日)関西
『生物多様性フェス コップププー ~Towards CBD/COP12!!~』
関西チームブース出展

日時:5月25日(日)11時~19時
場所:中崎町ホール
https://www.facebook.com/events/657257780989195/?notif_t=plan_user_invited

愛知ターゲットに掲げられた20の目標のうち、
目標2「国や地方は、生物多様性に気を配った計画を立てよう」および
目標17「みんなで参加しながら作戦を立て、みんなで実現しよう」
という観点から、地域で行われた住民投票を紹介する形で参加します。
小平市と亀岡市で実施された住民投票運動を紹介予定です。

☆6月1日(日)神奈川
鎌倉海浜公園での「鎌人いちば」にブース出展
「原発の稼働の是非について、国民投票で民意を問うことに、賛成?反対?」の
シール投票を行います。

日時:6月1日(日) 9:00~16:00
場所:鎌倉海浜公園
http://kamandoichiba.com/

☆6月12日(木)関西
緑の党ひょうご、6月のオープン学習会
「「原発」国民投票のこれまでとこれから」

日時:6月12日(木)19時30分~20時45分
場所:神戸市勤労会館303
https://www.facebook.com/events/1406798366266419/
話題提供:森恭子(関西・地域運営委員)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 【報道紹介】「国民投票法」について
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
国民投票法が衆議院を通過しました。
残された3つの課題のうち、「その他の国民投票」については、
十分な話し合いが行われていません。
「原発」国民投票の実施を求める私たちは、
この制度の行く末を注視しておく必要があります。

[国民投票法改正] 参院で徹底した論議を(南日本新聞社)5月13日
http://373news.com/_column/syasetu.php?ym=201405&storyid=56814

総務省「国民投票制度」
http://www.soumu.go.jp/senkyo/kokumin_touhyou/

時論公論 「憲法改正国民投票法改正へ~なお残る宿題」4月9日 
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/185030.html

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会員・賛同人からのメッセージ集(4月分)

(会としては 原発「反対」または「賛成」を打ち出してはいません。

賛同人個々人が、それぞれの思いを抱いて運動に参加しています)

新しく会員登録・賛同人登録された方々から メッセージをいただいています。

一部ご紹介させていただきます。

ひとつひとつ、すべてが個人の方々のご意見です。

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「原発」をどうするか、私たち主権者国民ひとりひとりが考え、学び、話し合い、決めていく。 そんな参加民主主義、直接民主主義を実現する国民投票を是非実施して、政府や行政を動かしていきましょう。

(愛知県・Gさん)

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原子力の利用を今後どうするのかは将来に関わる重要な問題です。 エネルギー問題をどうするのか、経済は、国際関係は、、、

いろんな視点があるのは確かですが、 現在進行形で収束のめどもたたない過酷事故をかかえ、地震の活動期に入っているという指摘もある中、 本当に54基もの原発をどうするのか。子孫に負の遺産を残していいのか。 国民の一人一人が真剣に考えるべきだと思っています。

(兵庫県・Nさん)

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国民一人の声ですが、どの様に生きて行きたいのか大切な事を考える会に参加したいです。

(兵庫県・Yさん)

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生活と生命に関わる大切な問題です。 是非自分達で考えて選択する権利が欲しいと思います。 投票を機会に、今まで見ないふりをしていた国民も一人一人が向き合って考えることができるのではないでしょうか。 逃げられない現実の問題だと思っています。

(兵庫県・Fさん)

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応援しています。

(大阪府・Fさん)

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主要エネルギー源を勝手に原発と決めさせない!

(大阪府・Kさん)

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ひとつひとつ、すべてが個人の方々のご意見です。

賛同人のみなさま、メッセージをありがとうございます!

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